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魔法少女リリカルなのは 〜最強のお人好しと黒き羽〜
第十九話 月夜の黒羽
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 そんな疑問に、彼は少しだけ表情を歪めて、笑った。

「――――俺も、化物だからさ」

 その歪みは、心の痛みからだった。

「さっきのアイツの言葉、聞いただろ?」

「……あ」

 ――――『ば……化物だぁ!!!』。

 リーダーの彼が叫んだ一言。

 小伊坂さんも、化物扱いされたんだ。
 
 私と同じ化物扱いをされて……私と、同じ?

「俺の持つ力は、この世界じゃあんな扱いだ。 例え人助けに使っても、化物扱いされる――――魔導師ってのは、そういう存在なんだ」

 だから、と続けながら小伊坂さんは私の頭の上に右手を優しくおいて、

「月村とお揃いだな」

「っ!?」

 彼は嬉しそうに微笑んだ。

 その表情に私は胸打たれて、ドキドキしだす。

 なんだろう、この胸の熱は?

「化物扱いされてきたのは俺も同じだ。 だけど俺は、自分のことを嫌いになったことはないし、化物であることを否定したいと思ったこともない」

「寂しくないんですか?」

「寂しい? なんで?」

「だって、化物は独りぼっちですよ?」

「……ははっ」

 彼はまた笑った。

 でも、今度は痛みとか気遣いとかじゃない、本当の笑顔。

 その笑顔で私を見つめ、頭を撫でる手に少し力を込めた。

「でも今は、君がいるだろ?」

「っ……!」

「君がいてくれるから、俺は独りじゃないよ」

「ぁぅ……」

 ドクンッて、心臓が大きく跳ねた。

 そして激しく揺らぎ出す私の胸は、火照っていく。

 本当に、何があったんだろ……。

 正体はわからない。

 だけど、彼が私と同じだって言ってくれて、私がいてくれるって言ってくれた。

 私を必要としてくれた。

 それは今まで生きてきた中で一番嬉しい言葉で、一番安心できる言葉で。

 ――――私が生きていいんだって、思える言葉だった。

「私……化物で、いいんですね」

「月村は月村のままでいいんだよ。 『化物』であるとか、『人間』であるとか、そういうんじゃなくてさ……もっとシンプルに、『月村 すずか』でいいんだよ」

「……なら」

「ん?」

「えい!」

「うお!?」

 私は感情の赴くがままに、彼の胸に飛び込んで、全力で抱きしめた。

 痛いって返事が来るかと思ったけど、彼はただただ戸惑ってるだけで痛みを感じてる様子はない。

 最初は強ばっていた身体は、次第に力が抜けて抱きしめ返してくれた。

 彼から伝わってくる温もりに私も安心してギュッとすることができる。

 受け入れてくれた彼に、温もりと安心をくれた彼だから、私は伝えた。

「小伊坂……じゃなくて、
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