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魔法少女リリカルなのは 〜最強のお人好しと黒き羽〜
第十九話 月夜の黒羽
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と共に肉眼では捉えきれない速度で弾丸が放たれた。
「小伊坂さん!」
「――――プロテクション」
叫ぶ私を他所に、小伊坂さんは淡々と何かを唱えた。
するとパキンって音が耳に響いた。
「え……?」
「大丈夫だから、じっとしててくれるか?」
彼の声が聞こえる。
銃弾は?
その答えは、小伊坂さんの突き出した右手にあった。
右手の先は真っ黒なディスクが回転していて、銃弾を受け止めていた。
弾丸は黒い壁で回転して、だけど徐々に弱まって地面に転がり落ちた。
「なんだ……なんだ、それは!?」
リーダーの彼も驚いたようすでそれを見つめる。
そんな声に反応して、周囲にいた仲間達が小伊坂さんに銃口を向けた。
十を超える銃口……なのに小伊坂さんは変わらない態度で答える。
「これはプロテクションって言って、魔力に込めた術式を円形だったり三角系みたいな形に展開することで色んな攻撃を防ぐ、防御の魔法だ」
「は……はは……なんだそれ、マンガの読みすぎじゃないか……」
動揺のあまり乾いた笑いをこぼすリーダーの彼だけど、手に持つ銃は小刻みに震えてる。
嘲笑おうとしても、目の前の現実は嘘にはならない。
私も驚いてるけど、真実なんだって思えるから。
「お前ら、一斉に撃て!!」
リーダーの声一つで、周囲にいた仲間は一斉に引き金を引いた。
雨のように爆発音が響き渡り、十を超える銃弾が私たちに迫る。
「そんなの、プロテクションの数を増やせば大した問題じゃない」
そう言うと、いくつもの黒いディスクがドーム状に広がって私たちに迫る銃弾を防いでいく。
何発、何十発……数え切れないほどの音が響き渡るけど、内部の私たちにはなんの被害もない。
「小伊坂さん……凄い」
素直な感想が溢れた。
こんなことができるなんて、ホントに絵本の世界の人だけだと思ってた。
だけど、本当にいたんだ。
ピンチに駆けつけてくれて、不思議な力で守ってくれる存在が……。
「そうでもないよ」
そう一言言い終えると、少しずつ銃弾の音が減っていく。
それと同時に男性の悲痛な声が一つ二つと聞こえてく来た。
「作戦通りだな」
「え?」
私の疑問を他所に、小伊坂さんは一人納得した様子で黒いディスクの壁を消した。
再び周囲を見渡すと、銃を持っていた人はみんなうつ伏せで倒れていて、残されたのはリーダーの彼一人だった。
彼は驚愕した様子で小伊坂さんを見つめ――――
「お前、なんなんだ」
まるで人じゃないものを見るかのような目。
私は、その目を知ってる。
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