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魔法少女リリカルなのは 〜最強のお人好しと黒き羽〜
第十九話 月夜の黒羽
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確か夜の一族の一人だと言う話だが?」
「――――ッ!?」
え?
今、この人はなんてを質問したの?
あまりにも衝撃過ぎて、頭の中がぐちゃぐちゃする。
夜の一族……そう聞いたの?
「そのリアクション……当たりってことみたいだな」
彼は嬉しそうに微笑むけど、私は混乱し過ぎて何も思いつかない。
なんで……なんでこの人は、夜の一族を知ってるの?
なんで、『私』を知ってるの?
「闇の界隈じゃ色んな情報が出回っててね。 有益な情報もあればガセネタだってある。 その中に、夜の一族の情報があった。 しかも月村はその一族でも秀でているって情報だ」
「……」
当たってる。
私の知ってる、夜の一族の情報と全く同じことを彼は知ってる。
なら、私たちを誘拐したのは私が目的だったってことなの!?
少しずつ思考を纏めていく脳は、最悪のシナリオを書き上げていく。
そしてそれは創作の枠を外れて真実になる。
「君の……いや、月村の血を売れば大金になるだろう。 それこそ、そこの女を使わずともだ」
「……そういうこと、ですか」
やっぱりそういうことだった。
本命は私で、アリサちゃんはただ巻き込まれただけだったんだ。
私のせいでアリサちゃんに怖い思いをさせちゃった。
私が夜の一族だから……私が――――
「化物の血を、俺たちは手に入れたわけだ!」
――――化物だから。
ずっと、人として生きてきた。
人としての生活ができていた。
普通に食事が出来て、普通に睡眠が出来て、普通に勉強が出来て、普通に学校に通えて、普通に友達ができた。
いつか、普通に恋をして、普通に結婚して、普通に家庭を持てるんじゃないかなって思ってた。
だけど……だけど、やっぱり私は化物って現実から逃げられないんだね。
私が化物である限り、こうして誰かに迷惑をかけちゃう。
これからもずっと、そうなんだ。
「……ごめんね、アリサちゃん」
私は興奮で高笑いをする彼を置いて、アリサちゃんに謝罪する。
ずっと夜の一族のことを隠してたこと。
そのせいで迷惑をかけたこと。
そして――――
「私が化物で……私なんかが友達で、ごめんね」
私は私自身の存在を謝罪した。
「謝る必要なんてないだろ」
「ッ!?」
「誰だッ!?」
誰かの声がコンテナ内に響き渡る。
彼も知らない、だけど私はどこかで聞いたような気がする、男性の声。
その声と言葉は、私にかけられたものだって分かったけど、いったいどこから?
私を始め、私達を誘拐した人た
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