暁 〜小説投稿サイト〜
魔法少女リリカルなのは 〜最強のお人好しと黒き羽〜
第十九話 月夜の黒羽
[3/10]

[8]前話 [1] [9] 最後 最初 [2]次話
確か夜の一族の一人だと言う話だが?」

「――――ッ!?」

 え?

 今、この人はなんてを質問したの?

 あまりにも衝撃過ぎて、頭の中がぐちゃぐちゃする。

 夜の一族……そう聞いたの?

「そのリアクション……当たりってことみたいだな」

 彼は嬉しそうに微笑むけど、私は混乱し過ぎて何も思いつかない。

 なんで……なんでこの人は、夜の一族を知ってるの?

 なんで、『私』を知ってるの?

「闇の界隈じゃ色んな情報が出回っててね。 有益な情報もあればガセネタだってある。 その中に、夜の一族の情報があった。 しかも月村はその一族でも秀でているって情報だ」

「……」

 当たってる。

 私の知ってる、夜の一族の情報と全く同じことを彼は知ってる。

 なら、私たちを誘拐したのは私が目的だったってことなの!?

 少しずつ思考を纏めていく脳は、最悪のシナリオを書き上げていく。

 そしてそれは創作の枠を外れて真実になる。

「君の……いや、月村の血を売れば大金になるだろう。 それこそ、そこの女を使わずともだ」

「……そういうこと、ですか」

 やっぱりそういうことだった。

 本命は私で、アリサちゃんはただ巻き込まれただけだったんだ。

 私のせいでアリサちゃんに怖い思いをさせちゃった。

 私が夜の一族だから……私が――――

「化物の血を、俺たちは手に入れたわけだ!」

 ――――化物だから。

 ずっと、人として生きてきた。

 人としての生活ができていた。

 普通に食事が出来て、普通に睡眠が出来て、普通に勉強が出来て、普通に学校に通えて、普通に友達ができた。

 いつか、普通に恋をして、普通に結婚して、普通に家庭を持てるんじゃないかなって思ってた。

 だけど……だけど、やっぱり私は化物って現実から逃げられないんだね。

 私が化物である限り、こうして誰かに迷惑をかけちゃう。

 これからもずっと、そうなんだ。

「……ごめんね、アリサちゃん」

 私は興奮で高笑いをする彼を置いて、アリサちゃんに謝罪する。

 ずっと夜の一族のことを隠してたこと。

 そのせいで迷惑をかけたこと。

 そして――――

「私が化物で……私なんかが友達で、ごめんね」

 私は私自身の存在を謝罪した。


「謝る必要なんてないだろ」


「ッ!?」

「誰だッ!?」

 誰かの声がコンテナ内に響き渡る。

 彼も知らない、だけど私はどこかで聞いたような気がする、男性の声。

 その声と言葉は、私にかけられたものだって分かったけど、いったいどこから?

 私を始め、私達を誘拐した人た
[8]前話 [1] [9] 最後 最初 [2]次話


※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりをはさむしおりを挿む
しおりを解除しおりを解除

[7]小説案内ページ

[0]目次に戻る

TOPに戻る


暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ

2024 肥前のポチ