魔法を使ってみたい!前編
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だろうけどさ。
だけども、やっぱりというかどうにもトウカはイライラしてきたみたいだ。うん……魔法ではないもんね。それ、道具で戦ってるだけだし。
「……違う!私の望んだのと!」
「だよね!」
今日の魔物達はある意味では幸運だった。そうそうに道具に依存した戦いに飽き、理想との違いを嘆いたトウカが剣を抜いたから。
「しゃらくさいよ!」
自分で始めといてトウカは理不尽だ……。
ぼそっと加勢にククールの唱えたバイキルトが血煙立ち上る戦場を余計血なまぐさく彩って、晴れた土埃から現れた、むくれた顔のトウカがダンと足を踏み鳴らして地割れを生む。それを見て、魔物が怯えて逃げ出してしまった。
「魔法が使いたいんだよ!」
「……うーん」
そればっかりは、僕らごときで解決できるならとっくにトウカの両親がなんとかしてるからなぁ……。
ヤンガスの慰めに、人情スキルなら良かったのにな、とトウカが愚痴っていた。
そういや……僕は勇気、ヤンガスはそのとおり人情、ゼシカはおいろけ、ククールはカリスマだよね?トウカはなんなの?
「え?何故かバイキルトとかベギラゴンが使える気がするように最近なったけどやっぱり魔法は使えない謎スキルだよ。まともに使えるのは瀕死の時に最高にハイになって痛みがなくなる特技っぽいやつ」
「それは脳内麻薬のせいじゃないかな……。じゃなくて、名称」
「あぁ、そっち?私の固有スキルは『闘魂』だよ」
へぇ、とてもらしいと思うよ。やっぱりバトルマスターだったんだね。……バトルマスターじゃ魔法は無理なんじゃって思ったけど、言わないでおく。
・・・・
「あのね、ククール今日のことで協力して欲しいことがあるんだ」
「……おう」
顔や仕草は文句なしに可愛いと思うが、多分させられる事は微塵もレディではないトウカ。ちなみにエルトの言う「ものすごい笑顔」だ。そして惚れていようが関係ない、逃げたいほどの圧力を感じる。
そして絶望的なことに俺の退路は他ならぬトウカが絶っている。仁王立ちで、塞がれて……背中は、壁だ。
ちょっとかがめばキスできそうな距離感だ。手を伸ばせば簡単に抱きしめられるだろう。だが、あまりの純粋にキラキラした……不穏な目を見れば俺はそれどころではなくなっちまった。たとえやったとしてもザオリク沙汰はごめんだ。
「魔力を一切持っていない人間は存在しない!そこらの石ころも、数値にしては魔力は持っていなくても少しは魔力を宿してる。空気にはうっすら魔力が篭っているし、生物は個人差はあれど比較的濃厚に魔力を宿している!だよね?」
「あ、あぁ」
「だからさ、ちょっとマホトラしてみてほしいんだ!もしも取れるなら魔力があるってことでしょ?私、魔法にはすっごく
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