暁 〜小説投稿サイト〜
SAO〜円卓の騎士達〜
第三十五話 別れ
[1/3]

[8]前話 [1] 最後 [2]次話
〜アーサー side〜

戦闘の後、安全地帯に入った俺達はユイとストレアの話を聞いていた。

ユイ「<ソードアート・オンライン>という名のこの世界は、ひとつの巨大なシステムによって制御されています。 システムの名前は<カーディナル>、それが、この世界のバランスを自らの判断に基づいて制御しているのです。 カーディナルはもともと、人間のメンテナンスを必要としない存在として設計されました。 二つのコアプログラムが相互にエラー訂正を行い、更に無数の下位プログラム群によって世界の全てを調整する……。 モンスターやNPCのAI、アイテムや通貨の出現バランス、何もかもがカーディナル指揮下のプログラム群に操作されています。 しかし、ひとつだけ人間の手に委ねなければならないものがありました。 プレイヤーの精神性に由来するトラブル、それだけは同じ人間でないと解決できない、そのために、数十人規模のスタッフが用意される、はずでした。」
キリト「って事は君達はGMなのか?」
シンタロー「はずでしたって事は違うんだろ?」
ストレア「うん、カーディナルの開発者たちは、プレイヤーのケアすらもシステムに委ねようと、あるプログラムを試作したの。 ナーヴギアの特性を利用してプレイヤーの感情を詳細にモニタリングし、問題を抱えたプレイヤーのもとを訪れて話を聞く。 <メンタルヘルス・カウンセリングプログラム>、MHCP試作二号、コードネーム<ストレア>。 そして試作一号<ユイ>。 それが私達。」
アスナ「プログラム、AIだって言うの?」
ユイ「プレイヤーに違和感を与えないように、わたしには感情模倣機能が与えられています。 偽物なんです、全部、この涙も。 ごめんなさい、アスナさん。」
サクラ「なら、記憶が無かったのは何で? AIにそんなことが起こるの?」
ストレア「二年前にこのゲームが始まったとき、何が起きたのかは私達にも詳しくは解らないんだけど、カーディナルが予定にない命令を私達に下したの。 プレイヤーに対する一切の干渉禁止。 具体的な接触が許されない状況で、私達はやむなくプレイヤーのメンタル状態のモニタリングだけを続けていた。 状態は、最悪と言っていいものだったよ。 ほとんど全てのプレイヤーは恐怖、絶望、怒りといった負の感情に常時支配され、時として狂気に陥る人すらいた。 私達はそんな人たちの心をずっと見続けてきた。 本来であればすぐにでもそのプレイヤーのもとに赴き、話を聞き、問題を解決しなくてはならないのにプレイヤーにこちらから接触することは出来ない。 義務だけがあり権利のない矛盾した状況のなか、私達は徐々にエラーを蓄積させ、崩壊していったの。 私は早い段階でその矛盾から抜けられたから失ったのは記憶だけで済んだけど、ユイ姉はそれが出来なかった。 だから言語能力
[8]前話 [1] 最後 [2]次話


※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりをはさむしおりを挿む
しおりを解除しおりを解除

[7]小説案内ページ

[0]目次に戻る

TOPに戻る


暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ

2024 肥前のポチ