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魔法少女リリカルなのは 〜最強のお人好しと黒き羽〜
第十八話 二つの意識
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一般道。
人通りは少なく、車や標識の数も少ない普通の道路。
そこを通る黒のワンボックスカーに、俺と柚那の視線は集中した。
「柚那!」
「はい!」
俺たちは鞄を道路の脇に置いて走り出した。
車の速度に追いつくために、俺と柚那は魔力を使って民家の屋根に跳んだ。
地上を走っては俺たちの姿が目撃されてしまうからだ。
気配を消しつつ魔力を足裏に込め、着地の瞬間に爆発させる。
その反動で身体は凄まじい跳躍力を身に付け、三軒ほどは軽く飛び越えていく。
そうして俺と柚那は殺気と――――知ってる人の気配を放つ車を追いかけた。
「柚那、いきなりの実戦だけどいけるか?」
ここからは命懸けの戦いになるかもしれない。
魔導師の俺たちが魔力を持たない人間に遅れを取ることは滅多にない。
とはいえ、人間と命をかけて戦うとなればそれ相応の覚悟がいる。
突然のことで動揺しているだろうけど、今のうちに聞いておくことにした。
「当たり前です。 黒鐘先輩一人に任せるわけにはいきませんから!」
返事はすぐに、強い意志とともに返ってきた。
柚那の意思はそれだけで十分に伝わったから、これ以上は何も聞かずに俺も頷き返した。
「よし。 なら……アマネ」
《お話しは聞いておりました。 車種の特定と乗車している人の素性の特定……あとはアジトに到着した後に内部図の確保と警察への通報を致しましょう》
「頼む」
一声かけるだけでアマネは全てを察したように行動を始める。
これも今までの実戦で培って身につけた連携だ。
「黒鐘先輩」
「なんだ?」
「このこと、高町さんには……」
「それは助けたあと、アイツらに任せよう。 俺たちが言っても不安を煽るだけだろうしな」
「分かりました」
「他に聞いておきたいことはあるか?」
「それじゃ――――」
追跡車両を一定の距離で追いかけながら、俺と柚那は互いに意見交換をして情報の共有をする。
このあと、万が一に備えて分からないこと、必要なことは全部共有したほうがいいからだ。
これも全部、俺が五年間で培ってきたことだ。
そして追いかけること二時間ほど……辺りが暗くなった頃、海鳴から少し離れた海岸にいくつも並べられたコンテナ倉庫の一つの前に車は停まった。
俺たちは夜に紛れるように気配を消し、コンテナの上から犯人たちの動きを眺める。
車の中から二人の黒服の男性が現れた。
二人の手にはオートマチック拳銃が一丁ずつ持たれ、周囲を警戒するように睨みつけている。
「だいぶピリピリしてますね」
「ああ。 それだけ自分たちのしてること
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