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ラインハルトを守ります!チート共には負けません!!
第五十六話その2 交渉は「順調」に進んでいます。
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殿下はそれをほとんどただ聞いているだけだった。
(すごい・・・ファーレンハイトもシュタインメッツ、アルフレートもこんなにいろんな考え方をしていて・・・・。でも、私はそれに比べて・・・・。)
いけないいけないとカロリーネ皇女殿下は首を振った。そんなことで自信を失っていては駄目なのだ。曲がりなりにも自分は幕僚補佐役なのだ。艦隊司令官にも意見できないようであれば幕僚としては失格そのものなのだから。
「わかったわ。」
ヴィトゲンシュティン中将は3人の話を途中で遮った。
「あなたたちのいう事は理解できたわ。私も短絡的だったみたいね。時期を待ちましょう。」
3人とカロリーネ皇女殿下はほっとした顔をした。
「それに、総司令部の許可なく艦隊を移動させることは緊急避難的道義的事例を除いて、いかなる理由があろうとも許されない事。私の一存では決められない事だったわね。」
最後は苦笑に紛らわしながら「時間を割かせてしまって申し訳なかったわ。」とヴィトゲンシュティン中将は4人に謝った。
「その分私たちとしては艦隊の訓練に全力を尽くして時期を――。」
その時、何の前触れもなく「バ〜〜〜ン!!」と扉が開け放たれ、真っ青な顔をした副官たちが飛び込んできた。
「何事なの?!今は会議中よ!!許可なく立ち入らないようにとあれほど――。」
「し、司令官閣下!!これを――。」
震える手で渡された紙片、それに副官たちの持っている端末から流れてくるニュースの詳報を聞いたウィトゲンシュティン中将の顔色がさっと変わった。ウィトゲンシュティン中将だけではない。カロリーネ皇女殿下もアルフレートも、そしてファーレンハイトもシュタインメッツも顔色を変えていた。

それは帝国歴486年6月28日の事であった――。

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