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第五十六話その2 交渉は「順調」に進んでいます。
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シュタイン中将であった。彼はブラウンシュヴァイク公爵の家臣同然の立場だったので、公爵の命令により軍務省憲兵局長の任を局長次官に代行させて、自身は少数の部下たちと共に同行してきたのだ。だが、彼は表に出ることはなく、もっぱらフェザーンに設立したダミー会社を通じて、あるいは自身で赴いて積極的に世論調査、世論操作を行うことにしたのであった。ブラウンシュヴァイク公爵やリッテンハイム侯爵からも「金に糸目を付けぬように。」と言われ、また財務尚書からも少なからぬ金を受け取っていたベルンシュタイン中将は、まず惑星イオン・ファゼガスのイオン・ファゼガス・シティに対して表敬訪問を行い、そこで500万フェザーンマルクの小切手を渡したのだった。また、付近の辺境惑星で資金難なところがあればそこにも帝国の名前で小切手を切り、金をばらまいたのである。また各界の要人や地方政府首脳らをパーティーに呼んだり、自身が赴いたりして積極的な交流を図った。
実は、この莫大な資金は帝国の国庫から出ているのであるが、元をただせば自由惑星同盟から搾取した金なのである。辺境惑星の財産をかすめ取り、あるいは貿易商船を臨検・制圧した際に奪った金を前財務尚書のカストロプ公爵が蓄財していた。彼は莫大な金をもって引退したが、その一部を国庫に「予備費」として残していたのである。今回はそれを使うことにしたのだった。というわけで、帝国としては「他人の財布で飲み食いする。」状態であるため、痛くも痒くもなかったのである。
他方、帝国の幕僚たちは各地に表敬訪問を行ったり、見学に赴いたりして「クリーンな帝国」のイメージを構築しようとしていた。原作の帝国では考えられなかった行為である。幕僚たちの中には同盟市民と接することに嫌悪を覚える者も大勢いたのだが、ベルンシュタイン中将は「同盟市民に対しての世論形成の為です。ここが我慢です。帝国のためには我を曲げる時期も必要でしょう。」と、主張して譲らなかったので、ブラウンシュヴァイク公も許可をしたのだった。
同盟市民は最初これらの行為を軽蔑と憎悪をもって冷めた目で見ていたが、帝国からの金が懐に流れ込み始め、またマスコミが帝国の活動を好意的に報じ始めると、徐々に世論が軟化し始めていったのだった。
もっともそれは、イオン・ファゼガスを中心とする限られた地域だけで有って、首都星ハイネセンやそのほかの主要惑星ではまだまだ反帝国は根強いものであったのだったが。
* * * * *
惑星イオン・ファゼガス・シティの中心部にある公園では、この惑星の名物である「イオンのサンマ」なるものの魚の焼きたてが無料で振る舞われていた。ティアナたちはそこを表敬訪問して、子供たちを相手に遊んだり、サンマを焼いたりしていたのである。
「なんてバカバカしいことを!!!俺たちは『おかあさんと一緒』
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