第2章 魔女のオペレッタ 2024/08
15話 柩の魔女
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友達が死んでいるのに他人事みたいで寂しくないですかぁ?」
「誰がいつ命を落としてもおかしくない場所だ。感傷に浸って彼女が生き返るわけでもないだろう」
「ん〜、まぁ、そんなリアリズムなリンさんも嫌いではないんですけどぉ、わたしが知りたいのは《心境》ではないんですねぇ〜。《真実》とでも申しましょうか〜?」
一拍空けて、ゆるく口角を持ち上げて柔らかい笑みを浮かべながら、ピニオラは問いに補足を合わせる。
「グリセルダさんを殺した筈のレッドプレイヤーさん。でもぉ、どういうわけか加害者が被害者よりも先にお亡くなりになっているんですよねぇ………それも、みーんな《状態異常ダメージ》という死因なんですよぉ。イロイロ不思議じゃないですかぁ? ミステリーですねぇ〜ワクワクですねぇ〜」
思わず奥歯をきつく噛みしめた。
ピニオラはグリセルダさんの生存を勘付いているだろう。その証拠に、俺が懸念していた偽装の綻びを的確に見抜いたのだ。
「実行犯の名前を生命の碑で確認していたか。ということは、お前がグリセルダさんに奴等を差し向けた張本人か?」
だが、この真実を看破し得るには、グリセルダさん殺害における実行犯のプレイヤーネームを知っているという前提条件が必要となる。
グリムロックとの密会でおおよその事態は把握していたつもりだったが、こうして本人から聞かされるのでは再認識するにも情報の鮮烈さは桁違いといったところか。
「わたしは立案と仲介を依頼されただけなんですけどねぇ? ………でもぉ、やっぱりリンさんも関わっていたんですかぁ。なかなか印象に残るお話ではあったんですけどぉ、ずーっと謎が解けなかったんですぅ。…………だから答え合わせしてもらっても、いいですかぁ?」
瞑目し、溜息を零す。
俺にこの質問を向けた時点で、既に確証があったのだろう。
或いは、グリムロックが捕縛された日の戦闘の際に逃げられた《笑う棺桶》の幹部達が見た《秘蝕剣》について、情報が既に流れていたか。どちらにせよ、ピニオラが俺に問いを向けるに足る根拠は十分過ぎるくらいに整っているわけだ。
「だいたいお前の想像通りだとしておこう。俺から言えるのはそれだけだ」
「ツレないですねぇ。そんなに冷たくされちゃうと、わたしだって泣いちゃいますよ〜? ………まぁ、終わってしまった物語を加筆するつもりはないですから、安心してくださいねぇ〜」
それは、暗にグリセルダさんはもう狙わないという言葉。
意図せず聞くことの出来た宣言に安堵しつつ、しかし
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