第2章 魔女のオペレッタ 2024/08
15話 柩の魔女
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餌にどのような反応を見せるのかを確かめているような、そんな向きさえ見られる。
「まぁ、ネタばらしをすればリンさんと接点がある人で投獄されているのが誰かさえ知っていればカンタンなんですけどねぇ〜。グリムロックさんとは、そこまで仲良しさんじゃないですものねぇ? 言ってしまえば、《ラフコフのアジトを探る攻略組の誰かさんが唯一の可能性に賭けてみた》ってところでしょうかぁ?」
思わず息を呑む。
俺の目的は既に見抜かれていると考えておくべきだろう。
「…………それだけ情報もバレているということか」
「ヤですねぇ〜、女の子は好きな人のことを何でも知っていたいものなんですよぉ? ………あ、今のちょっとキュンって来ませんでしたぁ?」
「…………いや、全然」
「えぇ〜……? 意外とダイレクトな言い方では伝わらないものなんですね〜………」
それよりも、ここまで会話していても害意を向けてくる気配さえない。
ピニオラのスタンスや、俺を敵視していることについてはそれなりに自覚がある。
しかし、その認識と現状の対応には大きな隔たりを覚えざるを得ないだろう。あまりにも違和感が強く思えてならない。
「ふむぅ、思えばまだしっかりお話していないからこそ警戒されているのかもですねぇ。ではでは、わたしが最近行きつけのお店にご招待ですぅ」
「………俺がどうしてお前に付いて行かなければならない?」
「簡単なコトじゃないですかぁ〜。わたしは貴方に観察対象として興味がありますしぃ、貴方はわたしをこんなところまで探しに来ちゃうほど気になってるんですよぉ? これはもう相思相愛じゃないですかぁ。長話は確実なんですから、もういっそお食事ついでに済ませちゃおうってなワケですよぅ!」
「別にお前が気になってここまで来たわけじゃない」
ここまで偶然が重なって首尾よくピニオラと接触できたが、彼女が果たして《笑う棺桶》と直に遣り取り出来るコネクションを有しているかと問われれば、それはまた断言し得るものではない。
もし、彼女のまた誰かを仲介として《笑う棺桶》と連携を取っていたとするならば、その間に立つ某かを聞き出さねばならない。そして、その相手がすんなりと目的の情報を吐いてくれるかと言えば、それこそ可能性は限りなく低くなる。ピニオラが情報を漏らさないように連絡することで口に戸が建つかも知れないし、その橋渡し自体が口の堅い人物であれば交渉での情報収集など望むべくもないだろう。
むしろ、注意すべきはピニオラの誘導で何処に向かわされるかだ。それこそ、何を考えているか計り知れない相手なのだ。警戒を厳にして損をすることはないだろう。
「ホントにそうですかぁ? ………リンさんがわたしの事を探していた根拠、もうちょっとだけお見せしち
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