番外編 鎮守府カレー祭り(後編)
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――同時刻、自室にて、出場停止になった紀伊を慰める利根――。
おぬし大丈夫か?そんなに落ち込むな。そんなに指を切ったくらいで、失神することなんぞ、艦娘としてはどうかと思うが、普通の女の子としては・・・まぁ、なんだ、ない事ではないからの。出場停止を食らったからといって気にするな。あやつらもお主のためを思っていっておったのじゃ。本番中に失神して皆の笑い物になりたくはないじゃろう?来年はずっと練習して本番に臨めばよいではないか。そして、皆があっと言うカレーを作って見返してやるのじゃ!そうじゃろ?筑摩。
――その時、紀伊――。
あぁ・・・・。私ってどうしてこう駄目なんだろう。あ、いいえ。ありがとうございます。ええ、もう大丈夫です。ショックでしたけれど、でも、しょうがないなぁって。はい、利根さんの言う通りですよね。いきなり本番だなんて無茶すぎました。やっぱりコツコツ練習していいカレー作りを日頃からやってみようって決めました。そのためにも、明日皆さんがどんなカレーを作るのかをよく見ようと思います。
――その時、筑摩――。
紀伊さん、手が震えています。包丁恐怖症になってしまったのかしら。でも、紀伊さん。練習こそが上達への一番の秘訣です。大丈夫、あなたにならきっとできます。明日は私たちと一緒に皆さんのカレー作りを見学しに行きましょう。ね?
深夜――。調理場で奮闘する足柄――。
毎年そうだけれど、寝てなんていられないわ!!この時ばかりはお肌のことは考えないわよ。大丈夫。この時のために今日は昼過ぎから寝て備えたから大丈夫!!それに、私の秘伝のルーづくりはここからやらなくちゃ間に合わないし。やっぱり鮮度が大事よね、料理って。
今回はカツじゃなくてシーフードカレーの予定よ。やっぱり海軍たるもの海の幸を使いこなせなくちゃ意味ないもの。多少アレンジしてパプリカなどの具材を少し大きめに切って入れるの。彩もよくなって目にもいいしね。
今回こそは、絶対に勝つわ!!絶対に勝つ!!勝利への執着は、この飢えた狼のような私がつかんでこそふさわしいの!!さぁっ、頑張るわよッ!!!
――その時、調理場をそっと覗く妙高――。
また今年もやっているわ・・・。まぁ、そういうところが足柄らしいのだけれど。今更私が止めても聞かないのだから。私はもう寝るわね、足柄・・・・。
でも、どうか無理をしないで。自分の持てる技量をうまく発揮して見せて。
――同時刻、自室にて、床に就く鳳翔――。
昨日提督のおっしゃったことを色々考えてみた。確かに私はずっと秘書官として呉鎮守府にいるけれど、それは秘書官としての仕事が好きだったから。呉鎮守府にいるみんなの世話を焼くのが好きだったから。そして、あまり大きな声では言えないけれど、提
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