番外編 鎮守府カレー祭り(後編)
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と一緒に休ませていただきます。誰と、ですか?それは内緒ですよ。ふふっ。
はい。今日は早めに下がらせていただきます。今熊野さんに手伝ってもらってますが、明日からまた復帰して溜まった仕事を片付けますので。あ、提督、大きな声では言えませんけれど、もう熊野さんには私が退出した後に下がらせてあげてください。
提督、今後ともよろしくお願いいたしますね!
――同時刻、提督執務室横小部屋にて、泣きながら書類記入する熊野――。
ぐすっ・・・鳳翔さん、ひどすぎますわ。いくらわたくしが「お艦」と申したとはいえ、秘書官の仕事をさせるなんて・・・。鳳翔さんはずっと秘書官をやっていらっしゃるのですから、ああ申し上げてしまうのは自然ではなくて?それに鳳翔さんの年齢から申し上げても・・・いえ、やめておきますわ。これ以上何かされるのはもうまっぴらですもの!早く鈴谷のところに帰りたいですわ。
それにしてもこの書類の山、いつも鳳翔さんはこのような仕事をやっておられたのですね。それも毎日・・・。わたくしなどその間ずっと鈴谷や利根さん、筑摩さん、紀伊さんと遊んでしまっていたというのに・・・反省ですわ。
――同時刻、鎮守府内調理場にて加賀と材料後片付けをする赤城――。
ベートーヴェンの悲愴第二楽章の音がするわ。どなたかが弾いてらっしゃるのかしら。今の私たちの心境に合ってるわね・・・・。ねぇ、加賀さん。私たちは確かに今年も優勝をしました。あなたの言った通り連覇は達成しましたけれど、でも、私はどうしても第五航空戦隊のお二人のカレーに負けてしまったという気持ちがぬぐえません。それはあなたもうすうす感じているのではないかしら。
私たちのところには多くの方がいらっしゃいました。でも、家族連れの方、子供たちが一番にやってきていたのは翔鶴さん、瑞鶴さんのところでした。そして、一番楽しそうな場だったのも。
そしてご家族連れの層でトップの得票での特別賞をいただいていたのもあの方たちでした。家庭で食べるカレー、いいえ、皆でわいわいと楽しく食べるカレーってああいうものなのじゃないかと思うんです。私たちのは「お店」のカレーでした。確かに味には絶対の自信がありますけれど、その場の雰囲気、楽しさに関しては私たちは到底かなわなかったのじゃないかしら。
悔しい?ええ、それはもちろんそうです。でも、それは負けたからではなくて、結果的に大切なものを見落としてしまっていたことに気が付かなかった自分に対してです。
お二人のカレー、一口食べましたけれど、とても懐かしい味がしました。ねぇ、加賀さん。私たちも一度実家に帰らない?そして久しぶりに家族と団らんするの。そうすればきっと次の大会に活かせるエッセンス、大切なものを取り戻せるのじゃないかしら。そうね、そうしましょう。
――その時、加賀
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