番外編 鎮守府カレー祭り(前編)
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ここにつづるのは、南西諸島攻略作戦の前におこったささやかな呉鎮守府内部のイベントである。
4月某日午前10時、呉鎮守府にて、榛名の日誌より――。
今年もあのイベントの季節がやってきました。
今日は、榛名です。あ、やだ、私ったら、日誌なのに「こんにちは」っていうのは変ですよね。気を付けないと。
今日もいい天気。お日様がぽかぽかと優しい光をみんなに注いでくれています。時々吹き渡る春風が桜のにおいを乗せて部屋まで運んできてくれます。こんないい天気がずうっと続けばいいなぁって思いますし、戦いのことも考えないようにしたいなぁって。そうもいきませんよね。
南西諸島攻略作戦がいよいよ開始されることになりました。不安でいっぱいです。紀伊さんが加わりましたし、紀伊半島沖で敵を撃破できましたから、勢いにはのってますけれど、でも、大規模作戦は初めてですから・・・・。今回は大事を取ってまずは偵察から入ることになりました。
あ、でも、その前にとってもとっても大事なイベントがあるんです。
よく、海軍と言えば、カレー、カレーと言えば海軍なんて皆さんおっしゃってます。前世だと主計課・・・だったかな、そこの兵隊さんたちが皆さんの料理を作っていましたけれど、やっぱりカレーが人気だったみたいです。各海軍の鎮守府や軍艦によってカレーの作り方は違っていたみたい。このヤマトでも同じなの。
それで、毎年各鎮守府から皆さんが横須賀に集まって、どの鎮守府の艦娘がおいしいカレーを作れるか、競技みたいな形で競うんです。一人で出場してもいいし、チームで出場してもいいんです。それが、だいたい夏にあるんですけれど、その前に各鎮守府で予選会をやるんです。鎮守府カレー祭って言います。
榛名も頑張るんですけれど、いつも負けてしまいます。皆さんお上手ですから。金剛お姉様がここにいらっしゃれば、おいしいスープカレーの秘訣を教えていただきたかったのですが、残念です。
今年は、ビスマルクさん、プリンツ・オイゲンさん、そして紀伊さんがいらっしゃいましたから、きっと楽しくなると思います。その分ライバルがいっぱいいて大変だと思うけれど、でも、今年こそはやっぱり勝ちたいな。
■ 同日同時刻、自室にて、ビスマルクのモノローグ。
まいったわね。鎮守府カレー祭か、私、カレーって聞いたとき、てっきりカリーヴルストの事だと思ってたわ。焼いたソーセージの上にケチャップやカレー粉、カレーソースをかけるやつよ。付け合わせにポテトを乗せてね。カリッとしたソーセージの触感と滴る肉汁にソースのピリッとした辛みとケチャップの酸味が加わって、とってもおいしいのよ。ビールも進むしね。
どうしようかな。提督にお話ししてそれでもいいかどうか聞いてこようかしら。でも、ヤマトにきているんだから郷に入っては郷
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