番外編 鎮守府カレー祭り(前編)
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られちゃうわ。仕方ないわね。ちょっと遠いけれど、メディカル施設の厨房を借りることにするわ。あそこなら誰も来ないだろうし。
■ 翌日、大会前日の朝、準備委員の艦娘・妖精を前にしての由良の訓示――。
みなさん、おはようございます。呉鎮守府カレー祭りの今大会準備委員長を仰せつかりました、由良です。いよいよ明日が本番です。各員はもう一度選手からのオーダーのあった具材の現物確認をお願いします。それが終わり次第、野外炊事会場の設営に移ります。なお、当日は鎮守府を開放して、多くのお客様が来られる予定ですので、入場・整理委員、本部中央委員、会場委員の妖精方は入場・退場経路、会場レイアウト、迷子センターの設置、緊急医療場の設置、そして重要な投票の準備のチェックをお願いします。当日の司会進行は鈴谷さん、アシスタントに熊野さんをお願いしてあります。
今大会の開会に先立ち、提督からの挨拶が予定されておりましたが、急きょ中止となりました。誰ですか?今、いつものことだと言ったのは。
とにかくです。当日が終わるまで気は抜けません。各員最後まで円滑な運営の進行をよろしくお願いします。
■ 同時刻、メディカル施設調理場で紀伊を介抱する伊勢――。
ちょっと紀伊大丈夫?昨日全然戻ってこないから、心配して探し回ってみたらこんなところにいるんだもの。あぁ、駄目!そのままでじっとしていて!また無理に立ち上がって目を回して倒れられても困るから!今、日向が妖精を呼びに行ったからそのままでいてね。まったく・・・ドジなのは私だけだと思ってたけれど、もう一人いたわ。駄目じゃない。包丁で手を切ったくらいで気絶するなんて。どんだけ繊細なの?え?血が怖い?そりゃ初めて包丁を握ってそうなれば、そうだろうけれど、実際はそんなに出てないから心配しないで。
まぁ、とにかく今日午前中は安静にしていてよね。カレー?いいわよ、そんなの、放っときなさい。私が片付けるから。
■ その時、紀伊――。
恥ずかしくて死にそう・・・・・。
■ それからしばらくして、榛名による日誌『間宮食堂奥の厨房での出来事』――。
ようやく私のカレーのレシピが決まりました。本番まであまり時間はありませんが、少しでも練習を重ねていい味にしたいです。
なので、本番前に練習しようと厨房に行くと、既に赤城さん、加賀さんと翔鶴さん、瑞鶴さん、それに足柄さんがいらっしゃっていました。皆さんそれぞれ思い思いの場所に陣取って一生懸命具材をいためたり、煮たり、鍋を掻きまわしたりしています。榛名も持ってきた具材を広げて準備していると、突然声が聞こえました。
「それ、私たちの調味料じゃない!」
顔を上げると、瑞鶴さんが加賀さんの手を押さえています。加賀さんの手は「ウスターソース」と書かれた小さなプラスチックの容
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