暁 〜小説投稿サイト〜
艦隊これくしょん【幻の特務艦】
番外編 鎮守府カレー祭り(前編)
[2/10]

[8]前話 [1] [9] 最後 最初 [2]次話
に従えっていう感じかしらね。私もここにきてしばらくたつけれど、以前は苦手だったヤマト食にも慣れてきたし、好き嫌いもなくなったわ。プリンツ・オイゲンは相変わらず「ナットウ」っていうのが苦手らしいけれど。でも、慣れてくればあの独特の香りとねばねばはご飯によく合うのよね。
 この間、シャルンとグラーフたちに(前世の戦艦シャルンホルストと空母グラーフ・ツェッペリンの二人のことよ。)にヤマトの「ミソ」と「ショウユ」それに「ツケモノ」を送ってあげたら「とても信じられない。あなたはどうしてこんなものを食べられるの?!ヤマトってこんな食べ物しかないくらいまずい戦況なの!?」っていう大真面目な手紙が来たわ。やっぱり食文化の縛りってかなり強烈なのよね。こっちに長くいないとなじめないものだということがよくわかるわ。
 いずれにしても、独国から派遣されている艦娘として、絶対にヤマト艦娘たちには負けられないわ。料理でも独国艦娘はできる女だっていうことを証明してあげなくちゃ!頑張るわよ!!


同日同時刻、間宮食堂にて、妙高姉さんに意気込みを語る足柄――。
 よっし!!来たわ!!今年もやってきたわ!!いいわ、みなぎってきたわ!!えっ?そんなにはしゃぐなって?何言ってるの、妙高姉さん、待ちに待った一大イベントじゃない。私、一年間この時のためにカレーを研究していたと言っても過言ではないのよ。
 だって悔しいじゃない。3年連続で2位に甘んじてるんだから。3年前は鳳翔さん、その次が鈴谷・熊野チームに、そして去年はよりによって赤城・加賀コンビに負けたのよ!!あの大飯ぐらいの二人に!!無駄に米と食材を消費している二人によ!!どう見ても味なんかよりも量で満足するような二人じゃない!!あぁ・・・!!思い出しただけで頭が痛くなるわ!!
 でも、今年は大丈夫!!徹底的に研究して皆に喜ばれるようなカレーに仕上げて見せるわ。前回の敗北の時に妙高姉さんに言われた通り、自分の好みを相手に押し付けるだけじゃ駄目だっていうのはよくわかったから。
 何をする予定かって?それは秘密。だってここじゃ聞き耳たてられちゃうじゃない。でも、一つだけ。今年は絶対にカツは使わないから。


■ 同日同時刻、間宮食堂にて、足柄を諭す妙高――
 足柄、少し落ち着きなさいな。皆さんがいらっしゃるのにそんなに大声を上げてはだめよ。あなたも大人なのですから、もう少し落ち着きを持った女性になってほしいわ。
確かにあなたにとっては3年連続で次席に甘んじたことは悔しかったでしょう。でも、本当にあなたはわかっているのかしら?心配になるわ。一位を取れなかったのは、確かにあなたの言うように皆が満足するようなものを作り切れなかったことにあります。頭に血が上っていては勝てる戦いも勝てないのは深海棲艦との戦いでも同じことです。
 
[8]前話 [1] [9] 最後 最初 [2]次話


※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりをはさむしおりを挿む
しおりを解除しおりを解除

[7]小説案内ページ

[0]目次に戻る

TOPに戻る


暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ

2024 肥前のポチ