機動戦艦ナデシコ
1458話
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これが向こうの最終手段だった筈だ』
……まぁ、ゲートを押さえて俺達を脅すなり、いっそホワイトスターに逃げ出してしまうという可能性すら考えられる。
俺達とまともに戦ってしまえばまず勝てない以上、そういう手段を取るのはおかしくない。おかしくないんだが……それでも何かこう、すっきりしないものを感じる。
『それと、少し妙な報告も入っている』
「妙な報告?」
『そうだ。火星にやってきた賊軍だが、火星に降下しようとした時にとったコースがおかしい。私たちシャドウミラーの本拠地でもある元ネルガルの研究施設があった場所とは全く違う方向へと向かって降下しようとしていたようだ。……降下する前に宇宙で防衛戦力に撃破されてしまったが』
「……降下する場所が俺達の本拠地じゃない? 何だってそんな真似を……どこに降下しようとしていたのか分かるか?」
『こちらで得ているデータによると、いわゆる極冠地域といった場所だ』
極冠地域? 何でまた?
極冠地域には特に何かシャドウミラーが施設を作っている訳でもないし、木連が火星を占領する前にネルガルを含めた当時火星に進出していた勢力が何らかの施設を建設した訳でもない。
だとすると、一時的に極冠に自分達の勢力を築く筈だった?
いや、だとしても今の火星には幾らでも土地がある。
現在シャドウミラーが火星を占拠しているとしても、施設としているのはゲートを設置した、元ネルガルの研究所のみだ。
それ以外の場所は全く施設を作ったりはしていない。
そう考えれば、幾らでも木連が拠点と出来る場所はあった筈だ。
そんな状況で極冠地域に拠点を築く必要はない。
つまり、拠点を築く以外に極冠地域に向かう理由があった訳で……
「極冠地域に何かある、のか?」
考えられる一番の可能性はそれだろう。
俺達シャドウミラーが制圧するまでの数年、火星は木連の支配下にあった。
その間に極冠地域に何らかの物資か何かを隠した……のか?
けど、純粋な物資というだけなら、クリムゾングループやネルガルのサワガサキ、連合軍でグリューノを裏切った奴がいたのを思えば、大抵の物は揃った筈だ。
つまり、そこに保管されているかもしれない物資は、賊軍では入手出来なかった代物……そこまで考えれば、何があるのか何となく理解してしまった。
現状で草壁が最も欲しているのは、当然の如く戦力。
だが、木連が有していた生産プラントを持ち出す事は殆ど無理だった筈である以上……
「そこに眠っているのは、生産プラントか?」
そう呟く。
『可能性はある。他の何かかもしれないが……』
そう呟くナタルの顔には微妙な表情が浮かんでいた。
賊軍がそれを用意していたのか……もしくはそこにある遺跡を発掘しようとしてい
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