機動戦艦ナデシコ
1458話
[1/5]
[8]前話 [1]次 最後 [2]次話
「……は?」
正直、ナタルから火星に敵が現れたという通信を聞いた時、何がどうなってそうなる? という思いから間の抜けた言葉が出たのは事実だ。
だが、すぐに納得もしてしまう。
向こうにとって討伐軍の存在も怖いが、何より怖いのは当然俺達シャドウミラーだろう。
自由に転移を使いこなし、その上持っている技術力も火星古代文明の技術を多少なりも受け継いだ木連よりも高いのだから。
無人機のバッタはメギロートに到底及ばない性能しかなく、向こうにとっての戦力はメギロート、シャドウ……そして何より幹部陣の使う機体や、何より俺のニーズヘッグの性能を考えればどうしようもない。
そうなってしまうと、シャドウミラーをどうにかする必要があるというのは事実であり、そう考えれば火星に攻め込むのは不可解ではない。
だが……それでも、賊軍の考えは浅いと言わざるを得ない。
このサセボシティを攻めたのは、つまり火星に俺達がやってこないようにする為の陽動を含めての事だったのだろう。
しかし俺達がシステムXNを使って自由に転移を出来る以上、地球と火星の距離というのは全く問題にならない。
まぁ、向こうにとってはそれしか手段がなかったというのが正しいところなのだろうが。
何をどうしようと、俺達の方が戦力は上でシステムXNで転移して地球と火星を数秒程度で移動が可能。
だとすれば、少しでも俺達の注意を引き付けたかった……というところか。
「分かった、ならすぐに火星に向かう。何機かファブニールとメギロートを連れて行くから、ヤンマとカトンボを……」
『違う』
俺の言葉を遮るように、ナタルが首を振る。
……違う? 何が違うんだ?
そんな俺の疑問を理解したのだろう。ナタルは小さく溜息を吐いてから口を開く。
『火星に賊軍がやって来たのは事実だ。シャドウミラーをどうにかしようと思ったのかどうかは分からないが……その、何だ。火星の防衛を任せてきた戦力と戦闘になり、全滅してしまった』
「……は?」
再び俺の口から力の抜けたような声が漏れた。
いや、言ってる事は分かる。実際、火星にはいざという時の事を考えて戦力を残してきたのだから。
だが……だからと言って、全滅? 賊軍も火星がこのナデシコ世界においてシャドウミラーの本拠地であるというのは知っていた筈だ。
だとすれば、当然かなりの戦力を用意してもおかしくはないが……
「その、ナタルにこう聞くのもどうかと思うが、その報告は事実か? もしかして何らかの理由で欺瞞情報を流されているという可能性は?」
『私も最初はそれを考えた。だが、量産型Wからの映像を見ると、実際に賊軍の用意した新型艦やアクセルが倒したテツジンの同型機が火星の周辺宙域で破壊されているのが確認出来る。間違いなく
[8]前話 [1]次 最後 [2]次話
※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりを挿む
[7]小説案内ページ
[0]目次に戻る
TOPに戻る
暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ
2024 肥前のポチ