198部分:第二十七話 紅の毒その二
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第二十七話 紅の毒その二
「黄金の方々といえど人間だぞ」
「それはわかっているつもりだったけれど」
「まあ。何ていうか」
「考えてみればそれも無理もないことか」
ミスティはここで考えを少し変えるのだった。
「それもな」
「そうだな。黄金の方々といえばだ」
アルゴルもここで言うのだった。
「聖域の頂点に立つ方々だ」
「そうそう。だからどうしても」
「俺達なんて教皇に滅多に御会いできないのに」
「それは我々もだがな」
ミスティはこれは言ってきた。実際に黄金と白銀では最早途方もないだけの差があるのだ。
「しかしだ。それでもだ」
「黄金の方々を誤解することはないと」
「そういうことか」
「そうだ。その通りだ」
こうシオンにも述べるのだった。
「わかったな。黄金の方々も人間だ」
「何となくわかった」
「俺もだ」
「俺も」
シオンの言葉にワルターとラシャが頷いた。そして今度はペテルが言ってきた。
「まあとにかく。話はこれ位にして」
「そうだな。昼食だな」
「それそれ。早く何か食わないと死んでしまうよ」
「それはわかっている。ではアフロディーテ様」
アルゴルはペテルのその言葉を聞きながらそのうえでアフロディーテに対して話すのだった。
「この者達もこう言っていますし」
「わかっています。では蟹を食べに行きますか」
「はい、是非」
こうして彼等はある店に蟹を食べに行くのだった。赤と黒の独特の天井と柱を持っているその店の中を見ながらそのうえで丸い七人が座れる席に座しそこで次々と出される料理を食べるのだった。
店の柱の赤が中華の情緒を醸し出していた。そうしてそこにかけられてある布もまた赤でそれが壁の黒とよく合っていた。テーブルの中央には回転する台がありそこに料理が次々と置かれていく。まずは蒸し餃子や饅頭といった点心からであった。
「やっぱり中国は最初はこれですね」
「そうだよな。これだよな」
「そうそう」
まず青銅の者達がその餃子や饅頭を食べていく。餃子の透き通った皮から赤いものが見えている。それが何かというと最早言うまでもなかった。
「蟹餃子か、やっぱりな」
「上海だからな」
「後でその上海餃子の酒蒸しも来る」
ミスティは麺を食べていた。海鮮麺でありこれにも蟹が入っている。とろりとしたスープの中に麺と蟹だけでなく海老や貝、それに椎茸や筍といったものが入っている。
「それもあるからな」
「この小龍包も美味いな」
「これも蟹だよな」
「ああ、しかしこれな」
「熱いな」
青銅の者達はその小龍包をはふはふ言いながら食べていた。
「このスープがかなりな」
「きついっていうかな」
「そうだな」
アルゴルもまたその小龍包を食べながら語る。
「この熱さがまた
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