第3章:再会、繋がる絆
第64話「休む暇はなくて」
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も大きい。
だから、今はこいつを突破する事を考える....!
=out side=
ギィイン!ギギギィイン!
「っ...ぐ...!」
「あはっ、ほらほらほらほら!」
防ぐ防ぐ防ぐ。高速で次々と繰り出される突きを、椿は短刀で凌ぐ。
しかし、短刀とレイピア、遠距離向きと近距離向きという、武器と戦法による差から、徐々に椿が押されていく。
当然だ。元々、椿は近接戦において葵に勝てた事は少ない。
「っ、ぁ...っ!」
「椿!」
しかも、今の椿は一度腹を貫かれて怪我を負っている。
傷こそ表面上は塞いでいるが、ここまで激しい戦闘となるとまた開いてしまう。
「(くそ...!僕も援護を...!)」
そこで庇われているユーノが行動を起こす。
椿の前面に防御魔法を張り、さらにチェーンバインドで葵の動きを阻害する。
「っ、邪魔だなぁ...。」
「くっ...助かったわ...!」
ちょうどギリギリ椿が少し仰け反った所でそれを行ったため、結果的に椿を救う。
既に椿の状態は腹の傷が開き、葵の攻撃によって掠り傷が大量にできていた。
「(焼石に水程度....だけど、ないよりマシね。)」
チェーンバインドで葵が拘束されている間に椿は懐から出した御札を体に押し当てる。
すると椿は淡い光に包まれ、掠り傷が癒されていく。
...尤も、完治させた訳ではないので、椿の言う通り焼石に水である。
「これで....っ....!」
「....ふふ....。」
未だにユーノによってバインドが解けずにいる葵へ、椿は弓を向ける。
しかし、矢はなかなか放たれない。
「射れないよね?...あたしが死ぬから。」
「っ....いいえ、少し躊躇っただけよ!あんたはこの程度では死なない!」
―――“弓技・氷血の矢”
その言葉と共に、氷の力を纏った矢が放たれる。
それは葵の胸を穿つ所で....彼女を通り過ぎた。
「―――!しまっ....!」
そして、大量の蝙蝠が飛び立つ。...そう、葵は体を蝙蝠に変えたのだ。
デバイスの身になっても吸血鬼としての能力はほとんどそのままだったので、その力によって椿の矢とユーノのバインドを回避したのだ。
「残念だったね。」
「っ、させない!!」
ドシュッ!
後ろに回り込まれ、ユーノを狙って繰り出されたレイピアを、椿は身を挺して防ぐ。
霊力を手に流し、左手首を犠牲にレイピアを防ぐ。
「っづ....!」
「終わりだよ!」
「“プロテクション”!!」
キィイイ
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