第二十四話 嵐の到来
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ビ〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜ッ!!!ビ〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜ッ!!!ビ〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜ッ!!!
けたたましい警戒サイレンが横須賀鎮守府内に響き渡っていた。あちこちで各艦娘や妖精たちがあわただしく走り回っている。次々と放たれる命令、怒声、そしてそれを窘める声などがいっしょくたに官舎を出た紀伊の耳に入ってきていた。
「これは・・・どういうこと!?」
「姉様、あれ!!」
一緒に出た讃岐が上空を指した。それを見た紀伊は信じられない光景に凍り付いた。
上空を次々と深海棲艦機が飛来してきていた。次々と爆弾が投下され、鎮守府内のいたるところに爆炎が立ち上り、火災が巻き起こっている。妖精たちがあちこち走り回り懸命に消火活動をしているが、それも後続してきた新たな敵に投下された爆弾で中断されてしまう。
ババババッ!!という断続的な音が聞こえる。
それは高射砲だった。各陣地が応戦しているらしい。だが、敵の勢いは衰えないところを見ると、あまり効果はないようだ。
「姉様危ないッ!!!」
呆然と見まわす紀伊に讃岐が突然とびかかってきた。二人は一瞬宙を舞い、地面に身を投げ出されていた。バラバラと土の破片が二人に降りかかる。
「・・・・・・・!」
身を起した紀伊は先ほどまでたっていた場所に大穴があいているのを見て慄然となった。さらにその背後の官舎にも火が移り煙を盛大に吹きあげて炎上していた。
「あ、ありがとう・・・!大丈夫?けがはない?」
差し伸べた手を讃岐はつかんで起き上がった。
「平気です。姉様こそ大丈夫ですか?」
「私は大丈夫。あなたのおかげで助かっ・・・讃岐危ないッ!!」
紀伊が讃岐の手をつかんで全速力で走った。間一髪のところで二人の背後に爆弾が落ちて破裂した。
「す、すみません。でも姉様、ここは危険です。」
讃岐は周りを見まわした。
「一旦司令部に行きませんか?あそこなら皆さんがいらっしゃいますし、防空仕様になっています。何が起こったのかもわかるはずです。」
敵が攻めよせてきたのはわかっていた。だが、それはあり得ないはずなのだ。沖ノ島海域を制圧して同島を攻略し、これによって横須賀から沖ノ島に至る海域はヤマトの制海権のもとに置かれたはずなのだから。イージス戦艦を中心とする艦隊が展開しているはずではなかったのか。
と、そのとき炎と煙の渦の中から人影が湧きあがり、煙を突き抜けて走ってくるのが見えた。古鷹だった。彼女は紀伊たちに目もくれず司令部に向けて一心に走っていく。紀伊は大声で呼び止めた。古鷹は声の主を探してあたりに首を動かした後、やっと紀伊たちに気がづいて走り寄ってきた。息を切らしている。
「何が起こったんですか?」
「て、敵襲なんです。」
「敵襲!?うっそぉ!?マジで!?」
傍らにいた讃岐が驚きの声
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