第二十四話 嵐の到来
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はいい?」
凛とした声が響いた。
「目標、敵艦載機隊です。全機突撃!!!」
次々と二人のわきを零戦がすり抜けて敵に向かっていく。紀伊は飛んできた方角に視線を移した。
一人の艦娘が燃え上がる鎮守府を背にして海上に佇んでいる。長い黒髪が噴き上がる風に揺れる中、静かに佇んでいる。火の粉が海上を待っている中、凛として立っている。
「赤城さん!!」
「紀伊さん、讃岐さん。大丈夫ですか?」
赤城が叫び返した。
「もう少しで応援が来ます。何とか頑張って、敵を防ぎとめてください!」
赤城はそう言いながら、海面を走り始め、次の矢を弓につがえた。第一航空戦隊の双璧の一人は次々と艦載機を打ち上げ、的確な指示で向かわせ次々と撃破していく。
「すごい・・・やっぱり赤城さんはすごいわ・・・・。」
紀伊は感嘆の眼でそれを見つめていた。
同時刻、長門たちは別の緊急発進用ドックから出撃し、金剛たちと敵艦隊本隊を挟撃して、これに激烈な砲撃を加えていた。ほぼ、その勝負がついたとみると、長門は能代を呼んだ。
「外洋に展開した艦隊は我々が撃破する。」
砲撃が飛び交う中、長門は能代にそう告げた。
「だが、湾内の戦闘は我々には狭すぎて出来ない。既に矢矧たちが先発したが、数の上でまだ不足かもしれん。能代、近接戦闘に優れたお前たちが頼りだ。頼む。」
「わかりました!」
能代は、初雪、浜風、深雪、長月を呼び寄せ、全速力で横須賀に取って返していった。
その背後を巨弾が襲い、水柱が噴き上がった。幸い距離は離れていたため、命中することなく、また彼女たちも振り向くことなく無事に去っていった。
「敵の戦艦はまだ健在だな。」
長門がつぶやいた。
「ええ。空母は私たちは砲撃で仕留めたけれど、敵の戦艦4隻がスクラムを組んで味方を寄せ付けていないわ。艦載機攻撃でも撃破できないことはないけれど、少し手間取りそうね・・・・。」
陸奥は長門に顔を向けた。
「長門。敵に決定的なとどめを刺すには、さらなる強力な戦力の投入が必要だと思うわ。」
「わかっている。だが・・・。」
長門はしばし考え込んだ。今のこの状況ではほかの戦艦はすべて交戦中で手が回せない。近接戦闘に持ち込むにしても強力な装甲を破る一撃を持つ艦娘が必要になる。そのとき、ふと長門の脳裏にある艦娘たちの名前がうかんだ。
「では、彼女たちを投入するとするか。」
長門の視線の先には、その「ある艦娘たち」がうつっていた。
「北上、大井!」
長門は艦娘たちの名前を呼んだ。長門の左舷方向で砲撃戦を展開していた二人が振り向いて向かってきた。一見軽巡のようだが軽巡と決定的に違うところがあった。魚雷発射管が腿だけでなく腕にまでついているところだ。
「もう!!何回言ったらわかるんですか?きやすく北上さんの名前を呼ばないで
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