第二十四話 嵐の到来
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追い落としたすきに敵艦隊に入り込まれマ〜ス!!」
「ええっ!?」
榛名が鎮守府を振り向いた。
「早く救援に・・・・くッ!?」
主砲弾が続けざまに艦娘たちの頭上で炸裂した。
「駄目っぽい!!敵艦隊がピッタリくっついて離さないっぽいもの!!」
罠だという言葉が艦娘全員の頭に張り付いた。敵は第一陣を接触させつつ外洋に誘引し、そのすきに突入部隊が横須賀に突進し、内部を制圧するという作戦だったのだ。
「ここは私たちが抑えます。矢矧さん、野分さん、磯風さん、狭い湾内では軽快な水雷戦隊が有利です。すぐに救援に向かってください。」
矢矧は答えなかった。そっぽを向いている。
「・・・・・戦艦に命令されるのは、好きではないわ。」
金剛も榛名も驚いたように目を見張った。
「ちょっと矢矧〜。そんないいかたは――。」
「黙りなさい!!」
「ぴゃあっ!!」
矢矧の剣幕に酒匂は飛びのいた。
「お願いです!!」
榛名が縋り付かんばかりだ。
「・・・・・・・。」
「狭い湾内では私たちは不利なんです。あなたたちが頼りなんです!!」
「私はあなたたち戦艦が私たち軽巡以下を艦隊決戦の梅雨払い程度にしか考えていないことに心底腹立たしいわ。いざともなれば私たちに守ってもらわなくては満足に戦えないくせに・・・・危機が去れば何事もなかったかのように振る舞うんだから!」
「それは・・・・。」
「Hey!!矢矧!!お説教は後で聞きマ〜ス。でも今はそれどころじゃないです。私たちだけでなくあなたたちの仲間を見殺しにするんですカ?」
金剛の言葉に矢矧が血相を変えて詰め寄った。
「見殺し!?・・・そんな言い方――。」
ふと、榛名の視線が外洋に向けられた。
「矢矧さん危ないッ!!」
榛名が飛び出した次の瞬間戦艦の主砲弾が炸裂し、大爆発を起こした。
「・・・・・・・っ!!」
弾き飛ばされた矢矧は体勢を立て直し、顔を上げてあっと叫んだ。
爆炎と煙のなか榛名がぐらりと重心を失ったように倒れ掛かった。
「榛名!!」
金剛が慌てて抱き留めた。皆が走り寄ってきた。
「大丈夫ですか!?」
「榛名先輩!!」
「しっかり!!」
口々に叫ぶ艦娘の声に榛名はようやく目を開けた。
「矢矧・・・さん・・・良かった・・・・。」
矢矧が声にならない悲鳴を押し殺した。金剛がその矢矧をきっと真正面から見つめ据えた。
「矢矧。どうして榛名があなたを庇ったのか、わかりマスカ?」
「・・・・・・。」
「あなたがおもっているような戦艦なら、こんなことはしないはずデ〜ス。」
「戦艦が・・・軽巡なんかを助ける・・・・・そんな・・・・・。」
矢矧は顔色を失っていた。
「戦艦戦艦と気にしているのは、むしろあなたのほうではなくて?」
加賀が矢矧を見つめた。
「私たちはそんなこ
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