第二十四話 嵐の到来
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岐、古鷹はなんとか発着所までたどり着いた。中に入ると耳を圧するばかりの警報音が鳴り響いている。
「古鷹さん!!」
数人の艦娘が不安そうに佇んでいたが、3人の姿を見ると救われたようにして駆け寄ってきた。
「紀伊さんも讃岐さんも!ご無事だったんですね!」
吹雪が安堵したように叫んだ。
「他のみんなは?」
「わ、わかりません・・・私たちも無我夢中で。何とか出撃して迎撃しなくちゃって思って・・・・でも・・・・・。」
陽炎が言いよどんだ。
「私たちだけじゃどう戦っていいかわからなくて・・・・。」
清霜が俯いた。
「大丈夫です。」
紀伊が吹雪たちの視線の高さまでかがみこんだ。
「こうして6人集まれたんです。もう一人ぼっちじゃないですよ。それに、6人でなら艦隊が組めます。」
「この6人で艦隊を組むんですか?一度だってそんなことしたことないのに!?」
清霜が目を見開いた。確かにそうだった。紀伊自身は吹雪、清霜とは艦隊を組んでいたから大丈夫という思いはある。
だが、陽炎、そして古鷹とは艦隊を組んで実戦に当たったことなどない。他の艦娘自身も大なり小なり同じだろう。また、艦種もバラバラで速力も違うこのメンバーで統一した艦隊行動ができる保証などどこにもない。だが、紀伊は日ごろ彼女たちの立ち居振る舞いをみて好もしく思っていたし、なによりも自分よりはるかに実戦を重ねてきていることを良く知っていた。
「大丈夫。きっと大丈夫。」
「でも・・・・。」
「古鷹さんがいます。それに及ばずながら私たちがいます。それに私たちも吹雪さん、陽炎さん、清霜さんたちの水雷戦闘に頼らなくてはならないんです。」
紀伊は3人を励ますように順繰りに見た。
「一人一人では戦えません。皆がそろってこその艦隊です。皆で力を合わせましょう。ね?」
「そうだよ。吹雪ちゃん、陽炎ちゃん、清霜ちゃん。」
古鷹が進み出た。
「私たちは艦隊だもの。一人で戦うんじゃないんだもの。どんな敵とだって大丈夫。」
「私もおっちょこちょいだけれど、姉様やみんなのフォローがあってなんとかやっていけてるんだもの。皆ならできる!というか、姉様や私よりもみんなの方が実戦経験は豊富なんだから!」
讃岐もうなずいて見せた。
3人は頼りなさそうな視線を交わしたが、気持ちはまとまったのだろう。すぐに紀伊たちに視線を戻して、うなずいた。
「はい!」
その時、轟音とともに強い震動がきた。
「ここも爆撃されてます!急いで出ないと!!パンケーキみたいにペッちゃんこになっちゃう!!」
讃岐が叫んだ。
「パンケーキにはなりたくないです。」
古鷹が真顔で言った。
「すぐに出撃しましょう!紀伊さん。」
古鷹は紀伊を見た。
「あなたが指揮を執ってください。」
突然の言葉に紀伊は仰天した。
「私が!?古鷹さ
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