第二十四話 嵐の到来
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を上げる。
「マジです。」
ようやく息を取り戻した古鷹は大真面目にうなずいた。
「でも、沖ノ島海域の主力艦隊も残存艦隊も撃破したはずなのに!?それにイージス戦艦が航路を確保していたんじゃないの!?」
「まだいたんですよ。南方に展開する機動艦隊が。退路をたたれてのヤケクソなのか、何も考えていないのか、それとも積極攻勢なんだか、よくわかりません。とにかくあいつら横須賀鎮守府のすぐ目の前まで来ています。」
「皆さんは?」
「すぐに動ける人は発着所から緊急出撃してます。金剛さん、榛名さん、加賀さん、夕立ちゃん、野分ちゃん、磯風ちゃん、矢矧ちゃん酒匂ちゃんたちが。そのほかの皆さんも。」
司令部の防衛に当たるべきか一瞬紀伊は迷った。だが、陸上では何もできない。艤装を付けて海上に走り出てこその艦娘だ。それにこの爆撃の規模から察すると、押し寄せてきたのは大規模な機動部隊だろう。当然護衛艦も少なからずいるとみていい。今は一人でも多く出撃したほうがいいと紀伊は判断した。
「わかりました。私たちも行きます。讃岐!」
「はい!」
讃岐は大きくうなずいた。
「それじゃ一緒に行きましょう。何とかここで食い止めないと!!」
三人は発着所に向かって全速力で走り始めた。
司令部でも動きはあわただしかった。
「状況を報告しろッ!!」
長門が叫んだ。電探や通信装置にむかっていた大淀が振り向いた。
「敵は空母6隻を中心に護衛戦艦12隻、重巡19隻、軽巡27隻、駆逐艦以下多数の大艦隊です。戦鬼級の大物は含まれていませんが――。」
グオン!!という音とともに司令部が震動した。どこかで陶器を割ったような音が響いた。ガラス窓が砕け落ちたのだ。
「敵は艦載機を発進させて、空襲を仕掛けてきています。既に基地航空隊がスクランブル。敵の第一陣と鎮守府上空で交戦中です。」
「艦隊はどうか?」
「敵艦隊も依然として接近中。既に横須賀からの距離、100,000を切りました。」
「くそっ!!よりによってこんな時に!!」
長門がこぶしを打ち合わせた。なぜなら、大和、武蔵、尾張、近江、霧島、大鳳らをはじめとする主力艦隊は沖ノ島の航空基地及び司令部設営のために派遣されていたからである。
「手の空いている者は残らず緊急出撃だ。陸奥!!」
管制システムから陸奥が顔を上げた。
「了解よ。既に各艦娘が緊急出撃中。臨時に艦隊を組んで敵に向かっているわ。」
「この際だ。既存の艦隊編成は無視しよう。私も出る。大淀。」
長門は大淀に視線を戻した。
「ここは任せた。もし司令部に来る者がいたら、順次出撃し、深海棲艦を迎撃しろと伝えてくれ。」
「はい!」
「よし、行くぞ、陸奥。」
長門の言葉に、陸奥は静かに立ち上がった。
いたるところに爆弾が落下し、炎と煙が迫りくる中を紀伊、讃
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