195部分:第二十六話 薔薇の聖闘士その六
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第二十六話 薔薇の聖闘士その六
「それで命を落とした。覚えているな」
「忘れる筈がない」
シオンの返答の言葉もまた非常に苦いものになってしまった。
「決してな」10
「あの時の戦いで生き残ったのはわし等二人だけだった」
「他は全てな」
「そしてあの男もだ」
「見事だった」
シオンはこう言いはする。
「しかしだ。だからといってだ」
「いい思い出ではないのう」
「誰もが命を賭けて闘いそうして散っていった」
「わしと御前以外はだ」
「あの男もそうなるかというとだ」
「しかしだ」
だがここで鏡の男は言うのだった。
「今はその時ではない」
「そうだ」
シオンは顔をあげて彼の今の言葉に頷いてみせた。
「今はその時ではない。私の運命の時は間も無く近付こうとしているがだ」
「わしはやがてあの者達と共に」
「そうだったな。光になる」
鏡の男にこう言うのだった。
「少年達に未来を託しだ」
「それが御前の運命だな」
「その通りだ。だからここで死ぬことはない」
「しかし命は賭けるだろう」
それはわかっているのだった。
「あの顔とは裏腹に。凄まじい闘志を持っているのだから」
「全く。そこは変わらない男だ」
鏡の男は今のシオンの言葉に呆れたような、それでいて褒め称えるような笑みを浮かべるのだった。何処となく優しい笑みでもあった。
「それはあの者達全てか」
「そうだな。デスマスクもシュラも」
その二人も同じだというのである。
「同じだった。そしてアフロディーテもだ」
「他の者達もだな」
「そうだ。何もかもが同じだ」
こう言うシオンだった。
「あの者達はな。誰もが」
「思えばこれが因縁か」
鏡の男は話をしながらこうも言うのだった。
「あの時から続く」
「そちらの封印はどうなっている?」
シオンは鏡の男に今度はこうしたことを聞いてきた。
「封印は。どうなっている」
「あと十三年じゃ」
鏡の男の言葉は深刻なものはそのままだが色は変わった。
「十三年といったところじゃ」
「そうか。では遂にか」
「そういえばペガサスの男も転生してきたそうじゃな」
「どうやらな。あの方の息子の一人として」
「百人の子の一人としてか」
「ユニコーンもだ」
彼もなのだった。
「既にな」
「では。時が来たのは間違いない」
鏡の男はまた言った。
「わしも時が来れば」
「その時は頼む」
シオンは男に頼み込んできた。頭は下げずそのまま立ったまま鏡のうちの一つ、男がいるその鏡と正対しながらだがその鏡に対して言うのだった。
「是非な」
「わかっておる」
男の言葉は微笑んでいた。
「その時はな。任せておけ」
「黄金聖闘士達も全員預ける」
彼等に関してもなのだっ
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