ターン56 鉄砲水と幻魔の皇者
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希望になるだろう。流石にこれ以上、このデュエルで大型モンスターを引っ張り出す余裕があるとは思えない。
チャンスは1回、勝負は1瞬。このターンでの攻撃はこれまでだけど、なんとしてでも、ここでこのデュエルを終わらせる。
「カードを2枚伏せてエンドフェイズ、グレイドル・インパクトの効果でデッキからグレイドル・パラサイトを手札に加える。ドール・コール!さあかかって来い、ラビエル!」
「いいだろう、ドロー!闇の誘惑を発動、カードを2枚ドローし手札の闇属性モンスター、D.D.クロウをゲームから除外する」
ラビエルも考えることは同じだったようだ。グレイドルへの最大のメタになりうるカラスを捨ててまで新たなカード2枚を手札に残す道を選んだ……おそらくあの2枚とフィールドのラビエルのみで、これ以上デュエルを続けることなく決着をつける気なのだろう。
「まず魔法カード、火炎地獄を発動!私が500ポイントのダメージを受ける代わりに、相手に1000ポイントのダメージを与える!」
「熱っ……!」
清明 LP1400→400
ラビエル LP1200→700
一瞬だけこちらが優位に立ったライフも、捨て身の火炎地獄によりまた僅差とはいえひっくり返される。確かに熱い、だけど今更バーンダメージぐらい、死ななきゃ十分安い安い。
「さらに魔法カード、ナイト・ショットを発動。相手のセットカード1枚を、チェーンを許さずに破壊する。私が選択するのは……右の伏せカードだ」
「僕のスキル・サクセサーが……」
本来スキル・サクセサーはフリーチェーンでモンスターの攻撃力を400ポイントアップさせるカードなのだが、ラビエルの言った通りナイト・ショットのせいでそのチェーンが許されずになすすべなく破壊される。本当なら攻撃してきたところを返り討ちにする気だっただけに、少し表情が歪むのが自覚できた。
「堕ちるがいい、絶望の妖星とやら!受けて見よ、天界蹂躙拳!」
幻魔皇ラビエル 攻4000→The despair URANUS 攻3800(破壊)
清明 LP400→200
「残り200……そのライフ、必ず我が拳で削りきってくれようぞ。私はこれでターン……」
「待ちな!」
「……何?」
ラビエルが驚くのも無理はない。ウラヌスが沈んだ今、フィールドを支配しているのはラビエルのみ。その目の前にほのかに赤く光る剣を手にして立っているのが、モンスターではなくプレイヤーの僕自身なのだから。
「何のつもりだ、遊野清明」
「別に?ただ、これを受けてもらいたくってね」
そう言って、手に持っている剣をこれ見よがしにかざしてみせる。少し訝しげな顔でそれを見た後、ややあってラビエルが息をのむのが聞こえた。
「その形状……まさか!」
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