ターン56 鉄砲水と幻魔の皇者
[3/10]
[8]前話 [1]次 [9]前 最後 最初 [2]次話
体伸び上がる。
メタボトークン 守0
メタボトークン 守0
メタボトークン 守0
「これで3体のモンスターが揃った……」
ああもう、ここまで見せられれば嫌でも察しが付く。さっきまで雲一つなかったはずの空にはいつの間にやら暗雲立ち込め、不穏な雷鳴が遠くの方でバックサウンドのごとく低く響きわたる。
「悪魔族モンスター3体をリリースすることで、私自身は特殊召喚できる!全てを潰す破壊の御子、幻魔皇ラビエル!」
メタボトークン3体が消え、その代わりに巨大な人型の魔神が大地を割って地の底からその姿を明らかにする。
……なるほど、言うだけのことはある。確かにこれはあまりにも早い。しかもご丁寧にその隣にまで最上級モンスターを立たせる徹底ぶりだ、あの時よりもはるかに腕が上がっている。
幻魔皇ラビエル 攻4000
「これで終わりとは、私の復讐の日々も報われぬ気がするが……もはや語ることはないな、消え去れ人間よ!奥義、天界蹂躙拳!」
「清明っ!」
後ろから誰かの声が聞こえたが、振り返らずに大丈夫だと軽く手を振りかえす。実際そのラビエルの拳は風圧だけでテニスコート中の窓という窓をすべて叩き割りながらも、がら空きになった僕の体を捉えることはなかった。瞬間的に目の前に組み上がった氷の壁が、その一撃に対する盾となったのだ。
「……ほう?」
「手札から、ゴーストリック・フロストの効果発動。相手のダイレクトアタック時にこのカードを裏側守備表示で特殊召喚し、さらにその攻撃モンスターをセット状態に変更する……悪いけど、僕だってあの日からはずっとずっと進化してるのさ」
???(ゴーストリック・フロスト) 守100
「なるほどな……いいだろう、先ほどの非礼は詫びておこう。だがこの戦い、勝利を得るのは私だ。ガイウスで攻撃」
怨邪帝の太い腕に薙ぎ払われ、防寒具を着た雪だるまが一瞬で吹き飛ぶ。これは防げない攻撃で、どうしようもない……ワンキルを防いでくれたフロストと、このカードを僕にくれた稲石さんに心の中で礼を言う。
怨邪帝ガイウス 攻2800→??? 守100(破壊)
「僕のモンスターが破壊されたことで、補給部隊の効果発動。これにより、カードを1枚ドロー!」
「私はこの手札を伏せ、ターンエンドだ」
強がっては見せたけど、状況はすこぶるつきで悪い。僕の計画だと本来は、2体のモンスターのうちどちらかでも生き残ればそれを起点に2体のモンスターを並べ、さらにそれをリリースして超古深海王シーラカンスをアドバンス召喚、その効果である魚介王の宣告でデッキの魚族を大量リクルートするつもりだった……まさか2体とも、しかも除外されるとは。これだとアーチャーの蘇生能力も使うことができない。
清明
[8]前話 [1]次 [9]前 最後 最初 [2]次話
※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりを挿む
[7]小説案内ページ
[0]目次に戻る
TOPに戻る
暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ
2025 肥前のポチ