3話 酒が絡む不祥事 あ〜るある
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聞けたのはそれだけであった上に当時の僕はボン、キュ、ボン!について理解していなかった。でも、今なら分かる!!
アレはまごう事なきボン、キュ、ボン!だ。それ以外にどの例えようがあるだろうか?いや無いな。
僕にとっての幻の存在”バニー”その者が目の前にいる。僕の行動は至って単純だった。
「お隣、良いでしょうか?」
恐らく今の僕はこの人生で一番早く行動しただろう。酒場の玄関から一番奥のこのテーブルの台まで1秒。いや、もっと早かった自信がある。そして僕は光速の速さで椅子に座っているおじいさんに話しかけた。
「おお、若いのいつから其処におったのじゃ?良いぞ、お主旅人じゃろう。ゆっくり旅の話でも聞かせてくれぬか?」
そう言われ僕は腰を降ろした。おじいさんの話の内容は聞き取れなかったが承諾は得た事だけは理解できたのだ。
今、猛烈に心臓が鼓動を速めているのを実感した。目の前にいるんだ。幻の存在、”バニー”が。
「サミーちゃん。この者に酒を注いどくれ。」
おじいさんがバニーに声をかける。ん?おじいさん今なんて言った?この者?僕の事か?!
その通りらしい。バニーは僕に一歩、また一歩近づいて来た。それと同時に僕の心臓の鼓動も早まり、大きく波打つのがよくわかった。
1メートル。いや、もっと近いか?酒を注いでいるのだろう。拙い、焦点が合わなくなってきた。
バニーは酒を注ぎ終えた。それと同時に心臓の鼓動も治まっていく。コレが終われば少しなりとも離れてくれるだろう。もう、本当に拙いんだ。心臓が特に持たないんだ。だから、お願いしますだから!もう少しこの時間続いて!!!
その時!僕とバニーとの距離が一気に縮まった!理由はジョッキを手に持たせてあげる為だろう。だけど、手に感覚がない。僕はジョッキを持たされたのか?少し重く感じる。視線をジョッキに向けたいが向けられない。目がバニーに釘付けになっているからだ。
更に僕とバニーの距離が縮まる!しかも顔がだ。心臓の鼓動が最高潮に達し、顔が熱く、自分でも身体中を血液が回っているのを感じた。
「ごゆっくり。」
そうバニーは言うと顔をあげ立ち去っていった。
そう言う僕は放心状態だ。顔から湯気でも上がってるんじゃないかってくらい熱い。心臓の鼓動がいつまで経っても緩まない。
「……の………か?」
?何かが聞こえる。
「若者、酒は飲まぬのか?」
おじいさんの声だ。酒は飲まぬのか?あぁ、そうだ。酒を注いで貰ったんだった。急いで飲まないと。
手に持ったであろうジョッキに並々に注がれた酒を一気に僕は飲み干した。
血液が逆流するのを感じる。とても熱い、だけど最高の体験だった。とても頭がクラクラする。でも、コレはお城にいたら一生体験する事なかった出来事だろう。めまいが
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