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魔法少女リリカルなのはINNOCENT 〜漆黒の剣士〜
第32話 「金色の姉妹」
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はファラとふたりで出かける際は男性らしい恰好をしなければならないのです。最初はファラに悪い虫が近寄ってきても困るので承諾していましたが、こう精神的にストレスを感じさせられることが多いと嫌になってきます。
「まったく……ファラは女々しいことこの上ない。告白してくる男子は大勢居るのですから、いっそのこと誰かと付き合ってみれば良いのではありませんか」
「なっ……セイには色々と相談しているし、自分が女々しいのは認めるけどそういう言い方はないんじゃないかな。大体セイは好きな人がいないから私のことを女々しいとか言うのよ」
「確かに私には好きな人はいません……が、あなたが夜月を好きになったのはいつのことですか?」
今の季節は夏。ファラが私に夜月のことについて話すようになったのは今年の春頃……少なくとも1年の4分の1ほどの時間は流れているわけです。それだけの時間がありながら関係性に何も進展がないというのは、本人の努力が足りないばかりか何もしていないのと同じではないのでしょうか。
「好きだ好きだと言うのなら何かしら行動に移したらどうなのです。何もせずに仲良くなりたいなどと矛盾していると思わないのですか?」
「うぅ……だって」
「言い訳なんか聞きたくありません。そもそも、なぜ夜月なのです? ファラだって彼の周りにシュテル・スタークスやディアーチェ・K・クローディアといった存在が居るのは知っているでしょう」
聞いた話によれば小さい頃から付き合いがあるといいますし、また学校でもよく話しているところを見ます。親密さで言えばファラとは雲泥の差があると言えるでしょう。
ちなみに夜月は1学年下のレヴィ・ラッセルとも親しいようですが、彼女の場合は友人としての枠よりも上に行く気がしないので今回は口には出さないことにします。
「彼女達は飛び級で私達と同学年になっていますから外見的な魅力ではファラに軍配が上がるでしょうが、それも数年後には同等……下手をすれば逆転される可能性もあります。長年の片想いが成就する、という物語は人に感動を与えるものではありますが……ファラで考えた場合、長期戦になればほぼ失恋するでしょうね」
「いつもどおりのトーンで失恋だとか言わないでよ! 私だってそれくらい分かってる、分かってるわよ。でも仕方ないじゃない、気が付いたら好きになってたんだから。恋は理屈じゃないの!」
恋は理屈じゃない……確かにそうなのかもしれない。でも今の私にはやはり理解できない言葉だ。
故に……今のままでは私とファラが理解し合うのは難しいのでしょうね。私が誰かに恋をするか、それともファラが変わるか。いずれにしろこのままこの話を続けるのが得策ではないことは確かです。早々に切り上げることにしましょう。
「やれやれ……
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