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聖闘士星矢 黄金の若き戦士達
194部分:第二十六話 薔薇の聖闘士その五

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第二十六話 薔薇の聖闘士その五

「何があろうともここでは」
「死ぬことはありません」
「そのうえで闘います」
「私の薔薇はです」
 その彼等に対してまた告げるのだった。
「敵を葬送するものです」
「敵をですか」
「そしてアテナと人々を護るもの」
 言葉を変えてきた。
「決して聖闘士を送るものではありません」
「だからですか」
「我等に。死ぬなと」
「その通りです。ではおわかりになられましたね」
「はい」
「これでもう」
 六人はアフロディーテの今の言葉にも頷くのだった。
「ではここで誓います」
「我等は戦いに向かいます」
 それぞれの口で話していく。
「しかし何があろうと死にません」
「生きます」
 誓うのはこのことであった。
「勇敢に戦いそのうえで」
「生きてみせます」
「そういうことです。それではです」
 アフロディーテはここまで話したうえで一旦彼等に背を向けそうして言うのだった。
「では参りましょう」
「中国にですね」
「そうです」
 背中越しに彼等に答える。
「戦場に」
 こう言いそのうえで聖域を発つのだった。また戦いがはじまろうとしていた。 
 シオンは一人になるとまた鏡の間に入っていた。そうしてそのそれぞれ無数の合わせ鏡がある中の中央に座しそのうえで話をしていた。
「そうか。中国にか」
「そうだ。御前が今いるその国にだ」 
 こう鏡の向こうにいる相手に話すのだった。
「向かった」
「あの男がのう」
「同じだ」
 シオンはここで同じと言うのだった。
「あの時とな」
「そうだな。デスマスクとシュラも同じだった」
 鏡の中にいるその男はデスマスクとシュラも話に出してきた。
「そしてあ奴もか」
「皆同じだ」
 シオンはこうも言うのだった。
「私達以外はな」
「ははは、わし等はあの頃からいるからな」
 鏡の中の男の声がここで笑ったものになった。
「考えてみればそれも道理だ」
「そうだな。そしてアフロディーテだが」
「うむ」
「外見も中身も全く変わらない」
「ではその強さもか」
「そうだ。気概も同じだ」
 それまで同じだと言うシオンだった。
「だからだ。安心している」
「そうか」
「あの男はやり遂げる」
 アフロディーテに対して絶対の信頼を見せるシオンであった。
「必ずな」
「あの時と同じくか」
「そうだ、あの時と同じくだ」
「それはよくないのう」
 ところが鏡の男は彼の言葉を聞いて声を曇らせるのだった。
「どうもな」
「あの時のことがあるからか」
「そうだ。あの時あの者はだ」
 そして言うのだった。

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