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フェイト・イミテーション ~異世界に集う英雄たち〜
ゼロの使い魔編
三章 王女からの依頼
乙女の密かな戦い
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手に出てるからって調子にのってんじゃないわよ!」
「き、貴様ぁ!徴税官たる私を足蹴にするだとぉぉ!!」
顔を怒りで真っ赤にしたルイズが吠えると、チュレンヌも怒鳴り返す。
怒り狂ったチュレンヌが杖を向けると、それに合わせて衛兵たちも武器をとる。
が、その時、何かが両者の間に凄い速度で割って入った。
ズバババッ
「え・・・」
「な、何だ・・・?」
次の瞬間には衛兵たちの槍や鉄砲がキレイに分断されていた。そして、彼らの前には―――
「かの弓兵には遠く及ばんが、まあこんなものか。」
包丁を両手に持った架がいた。デルフリンガーは学院にいるギーシュに預けていたため、咄嗟にキッチンにある包丁を使ったというわけだ。
『模倣』でイメージしたのは、当然あの赤い弓兵である。
「な、何だこのガキ!」
「今の、包丁なんぞで・・・」
「んな馬鹿な・・・」
衛兵たちが呆然とする前で包丁を傍の机に置いた架は、ルイズを守るように立つ。
「主に手をあげるなど許さんぞ。」
「あ、主だと!?お前貴族か!?」
架の言葉に驚くチュレンヌ。更にルイズが太ももに隠しておいた杖を見せつけると更に目を見開いた。
「フ、フンッ!だが、こんな所にいる貴族なぞたかが知れるわ!どうせ身をやつした没落貴族に決まって――」
ピラッ
「誰が没落貴族ですって?」
「!!?そ、それは王室の・・・」
ルイズが見せたのはアンリエッタから貰った身分証明書であった。それを見た途端、チュレンヌの顔は完全に凍り付いた。
「す、すすすすいませんでしたああああああ!!!」
慌ててチュレンヌや衛兵たちもその場に土下座した。ルイズが王宮の関係者と分かるや否や凄い態度の変わりようである。
「ど、どうかこれで目をお瞑り下さい!お願いいたします!!」
更に全員がチップの入った袋を差し出す。膨らみから見て相当な額である。
ルイズは完全に平伏したチュレンヌたちに満足したように、毅然とした態度で警告する。
「いいこと?ここで起きたことは全て忘れなさい。そうすれば、私もこの話
を王宮に持ち帰らなくても良くってよ。」
「は、はいいい!一切口外致しません!陛下と始祖ブリミルに誓って!」
と、ルイズがチラリと架を見て「アンタも何か言ってやりなさい。」と小声で言ってきた。
「(い、いきなり言われてもな!)」
考えた挙句、架の知る中で最も傲慢な人物を思い浮かべ『模倣』で真似てみることにした。眼光は鋭く、相手をとことん見下すようにしながらスゥと息を吸い込み言い放った。
「主の眼前にその無様な姿を晒すでない。疾く失せろ、
雑種共
(
・・・
)
!!」
『ひ、ひぃぃぃぃぃぃ
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