暁 〜小説投稿サイト〜
フェイト・イミテーション ~異世界に集う英雄たち〜
ゼロの使い魔編
三章 王女からの依頼
乙女の密かな戦い
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」と食ってかかろうとした時だった。
「邪魔するぞ、店主!」
大声で入ってきたのは丸々と太った中年の男と、側近の兵士たちだった。彼の来店に店員だけでなく客たちも怯えの表情を見せる。
「誰なのあれ?」
「確かチュレンヌとか言ったな。この辺り一帯の徴税官をしている奴だ。」
「ふ〜んそうなん・・・って」
ふと向き直ると、ヴァロナの姿がなかった。すぐ隣の窓が開いていることから、どうやら今の一瞬で外に飛び出して行ったようだ。とことんトラブルに巻き込まれるのは御免らしい。
「(それにしても)」
徴税官ということは貴族。貴族と言えばお金持ち。上手く取り入れば、相当な額のチップが貰えるかもしれない!
「(チャンスだわ!)」
そう考えたルイズはそそくさと準備を始めた。
「チュレンヌ?」
「そ、この辺りの徴税官をやってるの。だからあんな好き放題しようが、重い税を課せられるから誰も逆らえないのよ。」
一方厨房では、架もジェシカからチュレンヌについての説明をされていた。厨房の陰からこっそりホールを窺ってみると、席に座ったチュレンヌが酌を求めてギャーギャーと喚いている。他の客は彼に恐れをなしてこぞって帰ってしまい、今はスカロンがご機嫌取りをしている。
「あいつに酌なんかやるわけないじゃない。こっちの胸とか尻とかやたら触ってくるクセにチップなんか一枚も払いやしないんだもの。百害あって一利なしだわ。」
ジェシカの文句を聞きながらも架はチュレンヌを観察する。確かに店員の少女たちは怯えるなり反抗的な視線を送るなりで誰も近寄ろうとしない。チュレンヌはそれに気分を害しているのかさらに喚き散らす。さてどうしたものかと架が思っていると、一人の女性がチュレンヌに近づいていくのが見えた。
というかあれは・・・
「何やっているルイズ!?」
「お客さま、お一ついかがですか?」
「む?」
他の店員から無謀と思われているなどつゆ知らず、ここ数日で鍛えた営業スマイルでチュレンヌに話しかけるルイズ。
可愛らしい笑みにチュレンヌも「おっ」と鼻の下を伸ばしかけるが、視線が下にいくと「ん、ん〜?」と訝し気なものに変わった。
「何だ、この店では男も雇っているのか?」
その時チュレンヌの言葉は嫌味を込もっておらず、寧ろ素直な感想だったのかもしれない。
だがしかし・・・
ピキッ
何かがキレる音を聞いた衛兵や店員たちは、彼が思いっきり地雷を踏んでしまったことを瞬時に理解した。
「だ〜〜れが男なのよ!!」
「ヒデブッ!?」
そして気が付いた時には、ルイズの見事なアッパーが決まっていた。
「ちょっとこっちが下
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