暁 〜小説投稿サイト〜
フェイト・イミテーション ~異世界に集う英雄たち〜
ゼロの使い魔編
三章 王女からの依頼
乙女の密かな戦い
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ゃあいいじゃねぇか。」
「あのなぁ・・・」

ワルドは本日何度目かの呆れたような仕草をする。
彼と出会ってから暫く経ってから気付いたことだが、このサーヴァントは思考が短絡的な傾向が強い。何でもかんでもすぐ力づくで解決しようとする。先ほどのように、一見考えているようだが実際は何も考えてないのが殆どだ。こと戦闘に関しては全面的に信頼できるがこういうことは全くのダメダメである。

「我々がしているのが潜伏だとういうのを分かってないのか?戦闘など最も避けるべき事態だろう。」

 ワルドの言葉にランサーは「へーへー」と聞いているのかどうかも怪しい返答をする。
 
だが今のランサーの気持ちを、ワルドは分からないわけではなかった。
 彼やクロムウェルから聞いた話では、サーヴァントは元々聖杯戦争とやらで戦うために呼ばれるのだという。加えて『ランサー』のクラスは戦闘能力に優れ、彼自身もまた戦いを好む性格である。
 要するに、退屈なのだ。やりたいことが出来ないことがどれだけ歯痒いことか、ワルドも理解しているつもりだ。だから、

「ランサー、行くぞ。」
「は?どこに?」
「そ、その、何だ。さっきの酒の席だといろいろ話が聞きやすいというお前の意見には一理あると思ってな。それに今日は私も一緒だから代金も私が払ってやっても・・・」

 そこまで言った瞬間、彼は笑顔でガッと思いっきり肩を組んできた。

「んだよワルド!やっぱしテメエも遊びたかったんじゃねぇのか!?」
「違うと言っているだろう!あと『やっぱり』とはどういう意味だ!?」
「まーまー、すぐそこに今度行こうと思ってた店があるからよ、試しに行ってみようぜ!チラッと覗いてみたら中々可愛い子ちゃんたちが揃ってたんだよ、店主がちょっとアレだったが・・・」

 何か変な誤解をされているようだが、嬉しそうにはしゃぐ彼を見てるとそれでも良かった。少しでも倦怠が晴れるというなら――――

「ワルド、あそこだあそこ!」
「何、『魅惑の妖精亭』か。変わった名前だな・・・。」
「名前なんてどうでもいいだろ!いいからとっと入ろうぜ、何かセイバーの気配がすんけど(・・・・・・・・・・・・)、気にすんな!」
「ああそうだな・・・・・って何故それを早く言わないっ!!?」








「ん・・・?」
「カケル、どうかした?」
「あ、いや何でもない。(何か異質な気配を感じたが気のせいか・・・?)」

 料理の皿をルイズに手渡しながら架は窓の外を見やった。魔術師として未熟な彼はサーヴァントの気配を正確にかぎ分けることは出来なかった。が、それもすぐに遠ざかってしまったため捨て置くことにする。

「ほらアンタたち、何ボサッとしてんのよ!ルイズちゃん、それ運んだら7番テーブルで
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