暁 〜小説投稿サイト〜
フェイト・イミテーション ~異世界に集う英雄たち〜
ゼロの使い魔編
三章 王女からの依頼
乙女の密かな戦い
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ついつい声を荒げてしまうワルド。実はこの店の人に声をかけられるというやり取り、今夜だけで既に3回目である。しかも、その全てが飲み屋関係であった。

「心配すんなって、全部俺の持ち金で払ってっからよぉ。」
「誰もそんなことを心配していない!」

 このトリステインに来る際、クロムウェルからそれなりの資金を渡されていた。それが何故ワルドだけでなくランサーにもかというと、それはクロムウェルの懐の深さ・・・では当然なく、ランサーが持ち前の悪舌で不平不満を言いまくった結果である。
 迂闊だった!こんなことなら初日から一緒に行動しておけば良かった・・・!とワルドが頭を抱えていると、「分かってねぇな〜。」とめんどくさそうに言う。

「あのな、酒場っつーのは一番口が緩くなる場でもあるんだぞ。日頃不満を押し殺している奴らが、酒の勢いでつい本音をポロって漏らしちまう。情報を知るんだったらこれ以上手っ取り早い方法はねぇぞ。」

 図らずも別場面で他の(サーヴァント)が言っていたことと全く同じことを述べるランサー。
この男にしては至極真っ当なことを言っている。流石のワルドもそれに対し「むぅ」と唸るしかない。

「それで、何か収穫はあったのか?」
「おう!さっきの店が一番ねーちゃんたちの胸がデカい。」
「貴様ぁ!!」

 もう我慢の限界とばかりに杖を抜きかける。町中だというのに目の前の男の顔面に魔法をぶち込んでやりたくてたまらなかった。
 ランサーの毒舌スキルは味方の方にもしっかりと機能してしまうのであった。更に言うと、ここでワルドが魔法で攻撃したとしてもランサーの対魔力は高く並みのものでは傷一つ負わせられないのが余計に腹ただしい。
 数分を得て、どうにかワルドに落ち着きを取り戻した。二人の間でこの光景はもうさして珍しいものではないため、彼も自分を取り戻すのが早い。

「つーかよ、何で俺らこういうことやってんだ?さっさと学院とやらに乗り込んじまえばいいだろうがよ。」

 再び歩き出しながらランサーが愚痴る。どうやら情報収集などという地味な作業は彼には向いていないらしい。
 ワルドは今日何度目かのため息をつきながら答える。

「忘れたのか?その学院に、肝心のルイズたちがいなかったんだろう。だからこうして一先ず城下まで足を運んでいるんじゃないか。お前だって確認したんだろう。」
「俺はセイバーの気配が無ぇって言っただけだぞ。小娘がいたかどうかまでは察知出来ねぇよ。」
「まさか。主人と使い魔が離れて行動するなど基本的にはありえん話だ。」


 注)少し前まで離れてました・・・( ゚Д゚)ノ


「それに、あそこにはセイバーだけでなくアサシンもいる。下手に近づいて逆に気取られでもしたら厄介だ。」
「んなもんまとめてぶっ潰し
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