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第五十六話 交渉の始まりです。
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レ大将とブラッドレー大将の仲を知っている二人はそれを奇とも思わなかった。
「それにしても・・・・。」
ヤンはオフィスビルの眼下に広がる光景を眺めていた。大規模なデモが帝国使節の到来と共に日々加速度的に増えてきている。何を言っているかはわからないが、何を言おうとしているかはよく伝わってきていた。それは、誰が扇動者というわけでもなく、極めて自然発生的なものであった。
「情けない宇宙艦隊。腰抜けの宇宙艦隊。帝国と共存しようとする売国奴。」
シトレは自嘲気味につぶやいた。
「彼らはそう思っているし、そう思い込んでいる。自らの幻想で作り上げた心地よい空間にいる限りは、そうし続けるだろう。」
「閣下・・・・。」
ラップとヤンはシトレの言葉に目を見張った。
「いや、そう思わせてきた責任の一端は我々にもある。政財界にも、そしてマスメディアにも。だが、一番の要因は同盟市民自身だと私は思うがね。いや、それによって自らの責任を回避するつもりは私には毛頭ない。だが、自分らには責任は全くない、この状況はすべて無能な政治家や軍人のせいだ、などといつまでも『観客』の立場でいてもらっては困ると思っているのだ。」
「確かにその通りです。自由惑星同盟にいる限り、我々は『舞台俳優』の一人なのですから。・・・どうも、我ながら埒もないことを言っているなぁ。」
ヤンの最期の言葉はラップに向けられたものだった。だが、このデモ一つによって自由惑星同盟が「反和平一色」に染まったというのは語弊がある。軍首脳部らが発表した同盟の実情に恐怖する市民たちも「軍備増強!和平交渉歓迎!国力回復!」などと叫んでもいたので、あながち反和平一色というわけではないのだった。「和平派」と「反和平」派が集会を行って火花を散らしあい、衝突しあっている光景は自由惑星同盟全土において見られていた。なお「和平派」と言っても「再軍備を行い、捲土重来を期して一時的和平を飲む」という派閥が多く、純粋な「恒久的な和平を求める!」という派閥はあまりいなかったことを付け加えておく。
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