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ラインハルトを守ります!チート共には負けません!!
第五十六話 交渉の始まりです。
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国と和平が成立するかについては今のところはわからない。が、可能性はあると私は思っている。」
シトレ大将はそう言った。
「むろん、恒久的な和平か一時的な物かはこの際置いておいて、だ。重要なのは和平によって多少なりとも戦乱が遠のくことだ。そうではないかね。」
「同盟にとってはその間に軍備を再編し、損傷した傷をいやすことができる、という事ですか。」
「ラップ、私はそうは思わないね。帝国が和平の条件に同盟の軍縮を求めることも考えられる。特に今建設している要塞の放棄などを要求する可能性は十分にあると思うな。そうなれば、今まで築き上げてきた成果はすべて無駄になってしまう。」
「おいおい、本気でそう思っているのか、ヤン。」
「可能性の一つを示唆したに過ぎないよ、ラップ。私だって万能じゃない。無数の選択肢の中から正確に一本の正しい結果を予想するのは無理だ。何しろ、今回の事は前例がないからね。それに私は当事者ではないから、彼らのその場その場の深層心理を理解できない。そのブラックボックスが予想の重要な要因であるときているのだからね。」
「ヤン准将の言う通りだ。今我々にできるのは、だ。あらゆる可能性の中から蓋然性が高いもの、そして実現した時に、我が同盟にとってマイナスとなるであろう選択肢を予測し、手を打っておくことだ。そのために貴官らを呼んだ。これからスタッフと共にここに常駐してほしい。むろん、手が足りなければ増員は出す。」
ヤンは頭を掻いた。彼にとってシトレの発言はあまり歓迎できるものではなかったのだ。だが、ヤンの思いとは裏腹に事態は進行していく。3人の前の薄型TVには今日の交渉に関するニュースが繰り返し流れている。自由惑星同盟には重大なニュースを放映する場合、それを専門に扱う専用チャンネルが設定されているのだが、この時ばかりはほぼすべてのチャンネルがこの交渉の様子を繰り返し放送していた。
「警戒態勢を敷いた方がよろしいのではないでしょうか?」
ふと、ラップが口にした一言にシトレもヤンも顔をラップに向けた。
「軍の動向は今のところ落ち着いてはいますが、一時は帝国の使節を拒もうという動きもあったことを小官は聞いております。あちらの迎賓館の周辺は厳重警備ですが、万が一反勢力がなだれ込んで来たら――。」
その結果は目に見えていた。今回の使節の団長は小物どころか、帝国大貴族の長であるブラウンシュヴァイク公爵である。それが殺されれば、激怒した帝国が大軍を送り込んでくることは目に見えている。
「そうだな、警備部隊を増強するとしよう。万が一に備え、情報処理部隊と特殊部隊を待機させるように、関係各所に促すとしようか。」
シトレがうなずき、早速副官を呼び出し始めた。統合作戦本部に対する意見具申のためである。本来であればそれは統合作戦本部の領域に属することであるが、シト
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