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ラインハルトを守ります!チート共には負けません!!
第五十六話 交渉の始まりです。
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評議会議長が穏やかな声で諭す。
「議長、先ほどから聞いていれば、彼らは一方的な態度で臨んできております!これを聞いて落ち着けとおっしゃられますか!?」
「この方々は自分たちの立場を明確にしただけだ。この際回りくどい言い回しはむしろ誤解やあらぬ希望を与える。そのようなことに時間を費やせるほど、双方の『主権者』は寛大ではないと思うが?」
ぐっと詰まった様子で人的資源委員長は席にのろのろと座った。
「ここに列席されている方々は。」
ピエール・サン・トゥルーデは周りを見まわしながら、
「よもや思ってはいらっしゃらないでしょうな。この一回の交渉事で自由惑星同盟と銀河帝国が恒久的な和平を結ぶことができる、などと。」
「・・・・・・・。」
居並ぶ者は誰も口を利かなかった。だが、そうなったという事は誰もが意識の底でそうであることを自覚しているという事だ。
「なぜならば、我々はお互いこれまで惑星フェザーンにおける取引、そして捕虜などの一部を除いて、お互いが接触することすらありませんでした。大半の者にとっては自由惑星同盟、銀河帝国という名前は書籍の上や電子ネットの上でしか認知しえないものなのです。同じ人間というよりも、むしろ未知の知的生命体同士の初めての接触、という言い方が正しいのかもしれません。」
「いや、それは少し曲解している。」
居並ぶ者が一斉に発言者を見た。ラインハルト・フォン・ミューゼル大将であった。
「ミューゼル大将、まだ発言を許可していないが。」
苦い顔をしてこちらを見つめてくるブラウンシュヴァイク公爵に、
「失礼、公爵閣下。ですが、これだけは言わせていただきたい。」
そう断ったラインハルトはピエール・サン・トゥルーデに顔を向けた。
「自由惑星同盟の方々にとっては、我々は『専制政治の権化であり民衆を搾取する者』というフィルターがかかっている存在だという事を、そして我々銀河帝国にとっては自由惑星同盟の方々は『アーレ・ハイネセンという一奴隷によって逃げ出した奴隷集団の子孫、反乱軍』というフィルターがかかっている存在だという事を、まず理解されるべきでしょう。」
「お互いそれぞれのフィルター越しに見られているという事ですか、おっしゃる通りですな、つまりは、互いが歩み寄るためには、まずそのフィルターを取る努力をしなくてはならない、という事ですか。」
最高評議会議長の言葉に、ラインハルトは言葉を続けて、
「フィルターそのものがすべてまがい物である、と私は申し上げてはおりません。一部ではそれはれっきとした事実です。ですが、事実をそのまま受け入れることと、事実を誇大曲解して受け入れること、この両者には大きな差がある、という事だけ申し上げておきます。これを解くには短時間での話し合いでは功を奏しないでしょう。」
ピエール・サン・トゥルーデはうな
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