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ラインハルトを守ります!チート共には負けません!!
第五十六話 交渉の始まりです。
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ん。何も私の妹たちが戦死したわけではないではありませんか。数百光年の距離が数千光年になったからと言って会えないと決まったわけではありますまい。そのようなことで取り乱されるのでは、私としてもいささかがっかりしますし、こう申し上げてしまいたくもなります。何のためにあなた様についてきたのか、と。」
最後はそう言ったが、それがファーレンハイトの本心ではないことくらいみんな知っていた。彼は彼なりにこの皇女殿下を慰めていたのだったし、その心をカロリーネ皇女殿下は十分理解することができていた。
「ファーレンハイト・・・。」
ありがとう、と言いたかったが、カロリーネ皇女殿下は言葉を飲み込んだ。3人が振り向くと、ウィトゲンシュティン中将が立っていたのである。そばには副官も誰もいない。彼女を護衛している女性士官たちもいない。
「水入らずのところ申し訳ないけれど、ちょっといいかしら?」
その顔色はあまり柔らかいものとは言えなかった。
惑星 イオン・ファゼガス 迎賓館 青の間――。
歓迎式典や種々の催しが終わり、今日が交渉の初日となっていた。両国の代表団が分厚いどっしりとした長いテーブルをはさんで着席したところで、重々しい音を立ててドアが閉まった。この瞬間から交渉はスタートすることとなったのである。ブラウンシュヴァイク公とリッテンハイム侯はその装飾を施したドアから、最高評議会議長に視線を向けた。
「さて、帝国の大貴族の長で有らせられるオットー・フォン・ブラウンシュヴァイク公爵閣下とウィルヘルム・フォン・リッテンハイム侯爵閣下におかれましては、はるばるこの自由惑星同盟都市惑星イオン・ファゼガスまでご足労いただいたわけですが。回りくどい言い方はこの際時間の浪費ですから、単刀直入にあらためてそちらの要求を伺いましょう。」
ピエール・サン・トゥルーデはテーブルの上で両手を組んで、口火を切った。ブラウンシュヴァイク公爵とリッテンハイム侯爵はちらと視線を交わしあった。やがてブラウンシュヴァイクがピエールに視線を戻し、
「では、単刀直入に言わせてもらおう。自由惑星同盟などという呼称をそもそも我々は認めておらん。もとをただせばアーレ・ハイネセン率いる奴隷集団が辺境惑星から離脱し、恒星間宇宙船で長征を行ってここにたどり着き、一大勢力を築き上げた。いわば、反乱軍である。したがって、我々の要求するところは、貴殿らの速やかな降伏である。」
傍で聞いている自由惑星同盟の首脳陣はこの露骨な言い方にハッとする者、憤激の色を浮かべる者、動揺する者、等様々だったが、最高評議会議長だけは顔色を変えなかった。次の瞬間この交渉の間にい合わせた者の間にさざめきが起こった。彼は間髪を入れずにこういったのである。
「要求を呑む、と申し上げると、どうなりますかな?」
ブラウンシュヴ
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