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ラインハルトを守ります!チート共には負けません!!
第五十六話 交渉の始まりです。
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めらいがちながらも、彼女は二人に尋ねていた。
「ねぇ。あの、こんなことを聞くのはどうかと思うけれど、二人はどうなの?帝国の人を見て、帰りたいとは思わないの?」
二人は同時に首を振った。
「確かに、帝国の人々を久方ぶりに見ても郷愁を感じない、というのは嘘になります。ですが、私にはカロリーネ様やアルフレート様を守る責務がありますし、そうしたいと思っております。帝国に帰国するなどという事は思いもよらぬものです。」
ファーレンハイトが静かに、だが断固たる口ぶりで言った。
「私もそうです。我々のことは気になさらず、お二人はご自身のことをお考えください。」
シュタインメッツも迷いを感じさせない口ぶりで答える。アルフレートはカロリーネ皇女殿下を見た。以前二人で話し合ったことがある。ファーレンハイトとシュタインメッツを帝国に帰してはどうか、と。ちょうど帝国の使節が到来している今、これは一つの契機と言えるのではないか。
「・・・・・・。」
カロリーネ皇女殿下はかすかに首を振った。小さく「ごめんなさい。」と口が動いたようにアルフレートには見えた。
(仕方がない、か・・・。)
アルフレートとしてもこの二人がずっとそばにいてくれるのはありがたかったし、心強かった。ラインハルトには悪いと思ったが、一流の将帥と一緒にいられることは思いもかけない相乗効果をもたらしてくれるのだ。すなわち、その人に追いつこうとして一人では成しえない速度で成長できる事である。
だが、ファーレンハイトの眼は時折TVに注がれている。それはTVを見るというよりも、それを通してもっと遠い彼方にあるものに思いをはせている、と言った方がいいかもしれない。
「これは、失礼をいたしました。」
ファーレンハイトは3人の視線を感じると、やや申し訳なさそうな苦笑を浮かべた。
「どうしたの?」
ファーレンハイトが黙っているので、重ねてカロリーネ皇女殿下が質問すると、
「実は、私には妹たちがいるのです。」
という答えが返ってきた。
「アリシアとユリア。いずれも軍属として帝国軍人になっているはずですが、今頃どこで何をしていることやら。まさかとは思いますが、あの使節の中にいるわけでもありますまい。ですが、帝国と聞いて家族のことを思いやってしまいました。お恥ずかしい限りです。」
「ごめんなさい!」
カロリーネ皇女殿下が立って頭を下げた。アルフレートからは、はらっとかぶさった前髪の中に後悔と悲しみとで青ざめて苦しそうな顔が見えた。幸いアルフレートとファーレンハイトとシュタインメッツが驚いてすぐに座らせたので、誰にも気づかれなかったが。
「私のせいで・・・私のせいで・・・・。」
カロリーネ皇女殿下が取り乱しそうになっているのを、ファーレンハイトが穏やかに宥めた。
「カロリーネ様のせいではございませ
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