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Sword Art Rider-Awakening Clock Up
裏切り
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《隠蔽スキル》……あれは便利なスキルだが、万能じゃない。視覚以外の感覚を持ってるモンスターには、効果が薄い。《リトルネペントのようなモンスター》にはな。
シュウシュウと猛り狂いながら、雪崩を打って襲いかかってくる補食器植物に一部は、明らかにコペルの隠れてる場所を目指してる。今頃は、隠れてるのに自分がターゲットにされ続けてることに気づいているだろう。俺が《隠蔽スキル》より《索敵スキル》を優先して取ったのは、それが理由。
なおも静かな気持ちのまま、俺は後ろを向き、そちらから突進してくるネペント達の列に視線を据えた。背後の敵はコペルを襲うので、しばらくは放置できる。後ろの状況が片付く前に、前方の敵を殲滅すれば、生還のチャンスがあるかもしれない。
俺は剣を握り直す。今までの戦闘で剣の耐久度は相当に消耗し、そこかしこで刃こぼれしてる。乱暴な使い方をすれば、この戦闘中にへし折れてしまうかもしれない。
斬撃回数は、ギリギリまで少なく。蹴り足と腕の振りで威力をフルバーストした《ホリゾンタル》を、敵の弱点である補食器の真下にピンポイントで命中させ、一撃で1匹を屠る。それができなければ、武器消失という最悪の死に様を迎えることになる。
背後でモンスターの咆哮と攻撃音、そしてコペルが何かを叫ぶ声が聞こえた。だが俺は振り向かず、自分の周りにいる敵にのみ集中した。
それから数十分間、際限なく現れるネペント達の頭を、ひたすら《スラント》や《ホリゾンタル》で斬り飛ばす。戦闘中の俺の頭には、ある思考が回ってる状態にあった。何かの動機が、俺を戦いへと駆り立ててる。
今なら、ゲームを始める前に茅場が俺に言った《言葉》の意味が理解できる気がした。
そして、ふと思った。
これが、本当のSAOだ。
俺は、ベータテスト期間に軽く200時間以上もダイブし続けたが、SAOというゲームの本質を、本当の意味で理解した。これは何かの前兆……前の戦いにおいての前兆なのか?現実ではいつも本気で戦っていたが、この世界では本気で戦っていなかったのかもしれない。俺も、これはただのゲームだ、と心のどこかで思っていたのかもしれない。
それらの思考と意識が極限領域で一体化した時、初めて辿り着ける境地がある。俺は、その入り口に立ち、その先に行きたかっただけ。だが結局、何も取り戻せないまま。更に、現実と同じ状況に陥ったSAO。
「う……おおぉぉぉ!」
自分の思考を頭から無理やり追い出すかのように吠え、地面を蹴った。
ライトエフェクトすら置き去りにして放たれた《ホリゾンタル》が、縦に2匹並んでいたネペントの補食器を立て続けに高く飛ばした。
直後、背中側にかなり離れた場所で、カシャアァァン!という鋭い破砕音が響いた。モンスターが爆砕した音とは
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