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Sword Art Rider-Awakening Clock Up
裏切り
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トし続けた。その隙を利用して肉薄した俺は、右手の剣を振りかぶった。

出現率1パーセント以下のレアモンスターとは言え、花つきネペントのステータスは普通の奴とほとんど変わらない。防御力と攻撃力は多少高いが、1時間以上の狩りでレベルが上がった2人には無視できる差だ。

10秒でHPゲージを黄色く変え、一度バックジャンプしてからトドメのソードスキルを立ち上げる。立て続けの戦闘で片手直剣スキルの熟練度も上昇し、スキルの発動速度や射程も上昇している。腐蝕液を吐き出そうとしたネペントが、補食器を半分を膨らませないうちに、単発水平斬り《ホリゾンタル》の青い弧線が乾いた音と共に肉質の茎を切断した。

これも、ノーマルな奴とは少し異なる悲鳴が響く。切り離されたウツボ部分が地面に落下し、ポリゴン片となって匹敵する前に、頭頂部の花がハラリと散る。

中から、仄かに光る拳大の球が転がり出た。コロコロと俺の足元までやってきたそれが、ブーツの爪先に当たって停止したのと同時に、ネペントの胴体と補食器が立て続けに爆砕した。俺は体を屈め、左手で光る球体《リトルネペントの胚珠》を拾い上げた。このキーアイテム1つ手に入れるために、恐らく150匹を超えるモンスターを倒し、その過程で色々考えることになっただろう。

少し離れた所で、危険な《実つき》の足止めを引き受けてるコペル。彼の元へと向かう俺。

「キーアイテムは手に入れた」

顔を上げてそう言うと、俺は左手で胚珠を腰のベルトポーチに落とし込んだ。本当ならウィンドウを表示してアイテムストレージに格納するところだが、悠長にそんな操作をしてる暇はない。剣を腰の後ろから抜き、数秒走った。

しかし。

突然、俺が足を急停止した。向かう先ではコペルが剣と円盾で器用にネペントの攻撃をあしらっている。元より防御が得意な方なのだろう。戦闘中でも顔をこちらに向ける余裕はあるようだ。生真面目そうな印象を与える、やや細めの両眼で、俺をジッと見ている。

……あの目付き。

視線に込められた何かの感情が、俺の足を急停止させた。

ネペントのツル攻撃をバックラーで強く弾き、戦闘を寸断させたコペルは、俺を見て短く言った。

「ネザー、ごめん」

そして視線をネペントに戻すと、右手の剣を大きく頭上に振りかぶった。刃が薄青く輝く。ソードスキルが発動したのだ。あのモーションは、単発垂直斬り《バーチカル》。

……まさか……!!

俺は無意識のうちに、内心でそう呟いた。

弱点である茎の上部が頑丈な補食器に隠されているリトルネペントには、元々縦攻撃の効果が薄い。しかも、縦斬りを使ってはいけない明確な理由がある。コペルもそれは理解してるはず。

しかし、動き出したソードスキルはもう止まらない。システムアシストに
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