第十七章
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かさを身に着けることができたからです。彼女は鬼でなくとも鬼を支えられる人に成長したのだと思います。
次に斬鬼と轟鬼の二人です。僕は斬鬼の最期を忘れられません。ただひたすら弟子のことを案じ心配して禁じられた手段さえ使いました。そうしてでも轟鬼をもう一度立ち上がらせたかったのです。僕は彼のこの深い愛情に非常に感銘を受けました。響鬼では彼が一番好きなキャラクターです。
冷静ですが弟子のことになるとひたむきになってくれる、そうした何処までも温かい人です。俺は今心の中で御前を殴った、殺してくれと泣く弟子へのこの言葉は先に御前は殴る価値すらないと言った言葉と重なります。何としても弟子を最後まで立ち上がらせたい、そう思い禁じ手まで使いましたしそのうえで天に昇りました。少なくとも彼のその魂は天国に行かなければならないものです。あくまで純粋で優しく温かいのですから。
何故斬鬼がそこまでしたのか、それはやはり轟鬼もまたそこまでさせる人物だったからです。真面目一直線ひたむきです。そこには何の意地の悪いものや暗いものはありません。高寺プロデューサー好みの好人物です。その彼だからこそ人柄を認めた斬鬼が全てを賭けたのでしょう。
最期斬鬼が天国に行った時彼は泣きませんでした。目に涙をためて泣きそうになりながらも必死に踏み止まりました。そのうえで師匠の心を受け継ごうと決意しました。若さはあるもののそこには素晴しい戦士としての姿がありました。彼もまた高潔な戦士なのです。
この二組の師弟の絆は響鬼の魅力の一つでした。そして彼等を支えるたちばなにいる人達もまたいい人達であり魅力的な存在であったことも述べさせてもらいたいと思います。
立花勢地郎に香須美、日菜佳の親娘です。娘二人の奇麗さも際立っていましたしそのそれぞれの人間性もまた温かいものでした。たちばなの場面になると自然と心が落ち着く程でした。
この姉妹は見ていて本当に奇麗ですしポジションもいいものでした。出ているとそれだけで雰囲気が和みます。響鬼前半はほのぼのしたムードも強かったですがそれはこの姉妹が作ってくれたという一面もあります。
性格がきついキャラではなくその正反対のキャラで固めると作品は絶対に和やかなものになります。それを和風と言うかどうかわかりませんが鬼達をサポートするこの二人もまた重要な存在でした。甘味処という一風変わった、しかし響鬼に相応しい場所において鬼達や明日夢達を笑顔で迎えてくれるこの二人がいないと響鬼はあそこまでいい作品になれたでしょうか。残念なのは妹役であった神戸みゆきさんのあまりにも早い旅立ちです。悲しいことです。
この作品はとにかくヒロインが充実していました。僕はこの作品のヒロインはずばり明日夢だと考えていますが本来の意味でのヒロイン陣の充実はドラマとしてもかなりのものでした。
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