第十七章
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バッシングを覚悟のうえでプロデューサーになった白倉プロデューサーと彼の申し出を御前の願いは聞く、と快諾し脚本を引き受けた井上氏は覚悟ができていました。しかし仮面ライダーに出られると聞いて大喜びで加わった俳優の中村優一さんは物凄く困惑されショックを受けられたそうです。
よくいじめドラマでいじめ役を演じておられる役者さんがその役と混同されたりして激しいバッシングを受けるということがあります。中村さんは全く同じ経験をされイベントに出るのが怖いとまで言われていました。ですがイベントでのファンの人達の応対や歓迎が温かいものであってほっとされたというお話があります。中村さんは路線変更による前半を愛するファンの人達のスケープゴートにされてしまったのです。
響鬼という作品はこうした面からも残念だったと思います。一部の心ないファンの行動や発言がネットでも大問題となりました。あちこちのサイトや掲示板でどうしようもない荒れようになり収拾がつかなくなっていました。このことで嫌な思いをしたのは大多数のファンでしょうし後期がいいという人達も同じです。何しろ今でも予算やスケジュールを無茶苦茶にしても前期があるからそれでいい、という人までいます。驚いたことにクリエイターの人達にもそうした人がいます。
あのまま予算とスケジュールを滅茶苦茶にしたまま続けていたら平成ライダー自体が終わっていた危険があります。予算と時間には限りがあるからです。クリエイターならばその程度のことはわかっていないといけない筈です。それを一切無視して批判するのはおかしなことではないでしょうか。
この作品はストーリーもキャラクターも実にいいのです。作品としては非常にいい意味で型破りな異色作です。それはそれぞれの師弟関係にも如実に出ています。
威吹鬼と天美あきらの二人の師弟ですが優しく気品のある師匠と生真面目で物分りのいい弟子という構図ですがあきらは確かに生真面目ですがその中身はまだ高校生です。そのあきらの内面を見られたのもこの作品の素晴しいことです。
威吹鬼は名門の家の出であり心優しく本当にいい人です。しかしまだ若く気付かないことも多いという欠点もありそれがかえって彼の努力や自責を引き出していました。
そうした内面を見せてくれると共に戦闘でも彼の生真面目な性格が出ていました。普段でも弟子のあきらに対していつも優しい目を向けていました。
あきらもまた平成ライダーの中でもとりわけヒロインの人達が頑張っている響鬼のヒロインの一人として見事な姿を見せてくれていました。一度強引に鬼になりますが結局それを諦め明日夢達に託しました。それからは素顔の真面目な女子高生となっています。僕はあきらのその生真面目さは彼女にとって非常にいい人生を歩ませていると思います。その生真面目さにはしっかりとした人間としての温
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