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Blue Rose
第二十四話 世界の外その九

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「わかるかも知れないから」
「怖いですね」
「だからここまで訓練してるの」
「そういうことですね」
「大丈夫だと思うけれど」
「ここを出ても訓練は必要ですね」
「そうしてね、もっともそこまでわかる人も」
 それこそとだ、副所長はこうも言った。
「滅多にいないわね」
「現実としてですね」
「ええ、だからね」
「安心していいですね」
「そうも思うわ」
「そういうものですか」
「実際ね、まあ普通の人は女の子って言われたらそう信じるわ」
 通常の場合もだ、優花に話した。
「そうね」
「そうですか、普通の人は」
「ええ、よく女装している子もいるわね」
「男の娘ですね」
「そうした娘もいるから」
 副所長も女の子だと言った。
「だからね」
「普通の人は僕が女の子だと言ったら」
「女の子ってね」
「完全に思いますか」
「最初からね」 
 生まれた時からの性別だった、というのだ。
「そうなるわ」
「そうですか」
「けれど用心の為になのよ」
「こうして訓練をしているんですね」
「そうなの」
「九割大丈夫でもですか」
「いえ、九割五分ね」
 それだけ高い確率だというのだ。
「だから五パーセントね」
「低いですね」
「訓練をしていない状況でそうよ」
 九割五分、つまり九十五パーセントだったというのだ。
「そうだったわ、それでね」
「訓練をして」
「その残りもですね」
「五パーセントをね」
「ゼロにする必要があるんですね」
「そうよ」
 その通りという返事だった。
「そこが大事なのよ」
「ゼロコンマの確率のミスでばれるって」
「それも現実よ、だからね」
「僕は完全に女の子になるべきなんですね」
「それで訓練をしているのよ」
「もう暫く続けるのですね」
「ええ、そうして出てね」
 この療養所をというのだ。
「そうしてね」
「わかりました」
「スケジュールより速い位だし」
 優花の全てが女の子になっている状況はというのだ。
「予定までには出られるわ」
「それで高校に通うんですね」
「長崎のね」
「そうですね、長崎の高校に通って」
「一人暮らしになるわ」
 アパートでのだ。
「その高校は寮がないから」
「そうした学校の方が普通ですよね」
「ええ、八条学園みたいな学園は少数派よ」
「寮がある学校は」
「実際はね、それじゃあね」
「はい、訓練が終わってこの療養所を出たら」
 その時はとだ、優花も言う。
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