185部分:第二十五話 一人の帰還その四
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第二十五話 一人の帰還その四
「わかっていますよ」
「ならいいんがな。それにしてもだ」
デスマスクはマカロニを食べながら話を続ける。大蒜とトマトをふんだんに使った如何にも地中海らしい見事なマカロニであった。
「シュラ、御前もよくやったな」
「俺は俺のやることをやったまでだ」
しかしシュラの返答は冷静なものだった。
「確かに手強い相手だったがな」
「何だ、それだけかよ」
「相手の強さはわかった。それに」
「それに?何だ?」
「次がある」
彼が次に述べたのはこのことだった。
「また闘わせてもらう。そして次こそはだ」
「あの男を倒すのだな」
「その通りだ」
今度はカミュに対して述べた。
「次こそはだ。何があろうともだ」
「ならそうするといい」
カミュもまたその言葉は極めて冷静なものだった。
「貴様の望むようにな」
「そうさせてもらう。そしてだ」
ここでシュラは話を変えてきた。
「この料理だが」
「ふむ、これか」
アルデバランは今はステーキを食べていた。大蒜をかなり効かせたソースをかけている。
「このステーキだな」
「あとはパエリアだが」
それもあるのだった。
「そしてパスタもだが」
「全部御前が作ったのか」
「その通りだ」
アイオリアの問いに対して答えた。
「これはな。全てこのシュラが作った」
「そうか。意外だな」
ミロは彼のその言葉を聞いて述べた。
「御前が全部作ったとはな」
「意外なのか」
「俺はそう思うがな」
己の思っていることをそのまま述べるミロだった。
「何かおかしいか」
「いや」
何故かこれ以上は言おうとはしないシュラだった。しかしそれでも少し話題を変えて自分の料理の話をするのだった。密かにミロから言われたことは置いておいてである。
「そしてこのステーキだが」
「羊ですね」
シャカは目を閉じたままだったがそれはわかっているようだった。
「この肉は」
「その通りだ。今度は羊の肉を使った」
「またそりゃ何でだ?」
デスマスクは今度はそのステーキをぱくついていた。とにかく何でもよく食べている。
「羊にしたのはよ」
「俺の故郷でもよく食べられるからだ」
だからだというのだった。
「この羊のステーキもな」
「そういえばそうですね」
アフロディーテはシュラの今の言葉に対して静かに頷くのだった。
「貴方の御国はスペインでしたね」
「そうだ」
彼はスペイン出身である。イタリア出身のデスマスク、ブラジル出身のアルデバラン、フランス出身のカミュと同じくラテン系なのである。
「そこで子供の頃から食べていたものだ」
「だから作れられるのですね」
「そういうことだ。そしてだ」
仲間達にさらに問うのだった。
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