暁 〜小説投稿サイト〜
歌集「春雪花」
268

[8]前話 [2]次話



 中秋の

  さやき月影

    眺むれば

 君ぞ恋しく

   風の吹きける



 中秋…秋も半ばとなった空には、美しい月が顔を見せている。

 先程まで掛かっていた雲もとれ、澄んだ光を地へ注ぐ月…。

 一人静かに眺めれば、遠い彼のことを思いだし…寂しさがチクリと胸を刺す…。

 そんな私の想いを知ってか…そよ風がすすきを揺らした。

 きっとこのそよ風も…彼に会いたいに違いない…。



 仰ぎ見れば

  雲の切れにし

   夜の空に

 想い欠けなむ

   夜半の月かな



 ふと空を見上げれば、雲が切れて…そこから月が見えていた…。

 その月は欠けることなき満月で…まるで私が彼を心から想うように…輝いていた…。

 いつかは…優しく思い出せる時が来るのだろうか…。


 この叶わぬ恋に…身を焦がした時代を…。





[8]前話 [2]次話


※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりをはさむしおりを挿む
しおりを解除しおりを解除

[7]小説案内ページ

[0]目次に戻る

TOPに戻る


暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ

2024 肥前のポチ