第一話
前書き
見かけない服装と子供みてぇな顔した女だった。
長い黒髪で、左が赤、右が緑のオッドアイだった。
側に何故か狼みたいなのもいた。少し大きめの狼だった。
「モユグテオラ?」
しかも、そいつは言葉が通じない。
俺はため息をついて、そいつの手をとって歩き出した。
「フィンクス、誰その子」
念の修行を終えたばかりに見えたパクノダが、こいつを見て俺にそう尋ねて来た。
「拾った。言葉通じねぇんだよ」
俺がそう言ってすぐに
「モユグテオラ?」
と、さっき俺に問いかけたのと同じ言語でパクに声をかけた。
パクは困ったような表情で苦笑したが、少し考えてから意味がわかったのか、しゃがみ込んで自分に指を指して「パクノダ」と言う。
「パクノダ?」
「そう。貴方は?」
パクはそう言ってこいつの胸の部分に人差し指を指す。すると、そいつも意味が分かったのか、ゆっくりとした口調で「カグヤ」と言った。
「カグヤ?」
「イーダ。カグヤ」
やっぱり訳のわからん言語だ。俺がそう思っていると、カグヤは顔を俺に向けて人差し指を俺に向ける。そういやまだ名乗ってなかったか。
「フィンクスだ」
俺がそう言うと、カグヤは真似する様に
「フィンクスダ?」
なんて言いやがった。一つ多い。
「フィンクス」
「フィンクス」
「そーだ」
「ソーダ?」
俺の言葉を全部真似するこいつに、俺は深いため息をついた。パクは笑いながらカグヤの横にいる狼に目を向けて指を指した。
「ユウガミ」
そう言った途端、狼は一声吠えてカグヤの頬に自分の鼻をすり寄せた。
「ユウガミとカグヤね。どこの国の子かしら?」
「きとテンカイ王国よ」
横から声がした。フェイタンの声だった。声の方を見ると、フェイタンの他にもウボォーやノブナガ達も周りにいた。
「テンカイ王国?」
俺がそう尋ねると、フェイタンはこくりと頷いた。
「東の方にある結構大きな国ね。力ある者皆獣従える聞いた。その女も何か力あるね」
フェイタンの話を、カグヤは訳がわからないという表情で聞いている。パクはそのカグヤの頭を、笑顔で優しく撫でていた。
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