W話「建設大臣の孫誘拐事件(中の上)」
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「プロの雀士には、腕とツキが両方必要なんですよ。まぁ、ただ・・・私には、ツキがあまりなかったんですが・・・」
「あのなぁ・・・ツキって、その場の様なモンやぞ。それこそ、超能力や神様じゃねぇんだから・・・」
「いえ・・・私が相手してきた人達は、それ位の化け物ですよ。例えば、ギャンブル依存症ですが、強運くらいのツキを持つ鼻の長い人や高校生くらいの鼻が長い白髪の少年とかは・・・特にね」
「それ、赤坂さん。○カギとかカ○ジとかっていう人たちじゃないんでしょうね?」
「・・・まぁ、想像にお任せします。一番が・・・ガラス牌で麻雀打ちしたりとかもしていましたんで、その頃になると・・・ツキも必要だと判断したんですよね」
「は、はぁ!? ガラス牌!?」
「ガラス牌って言っても、全部が全部ではありませんよ。一部が普通の牌で、後がガラスの・・・」
「いや、もういい。小僧・・・いや、赤坂。俺らの負け。降参。俺らからしたら、お前は本当の化けもんだよ」
現場監督さんは、そう言って、此処のお金を財布から出してくれた。大石さんは苦笑いしていたが・・・
「いやぁ・・・赤坂さん。アンタは自慢しても問題ないですよ。おやっさんから、名前で呼んでもらえるなんて一人前にでもならなければ、口が裂けても言いませんよ」
「は、はぁ・・・」
「まぁ、話しは置いといて・・・赤坂さんはサトさんに情報を得たいんでしょう。サトさんと一緒に車に乗ってくれれば問題ないはずです。私は遊び足りないので、お二人でお話し下さい」
大石さんの口ぶりから察するに、私達を嗅ぎまわっている人達がいるのだろうか、単純に大石さんが尊敬の意味での話なのかは分かりかねなかったが・・・
「取り敢えずだ。此処なら、安全に話しをしやすいはずだ」
「あの・・・此処って・・・」
「うん? あぁ、小僧・・・いや、赤坂くんは、此処には通わないんだな。何でもありのキャバレーだ」
「何で、此処で話すんですか?」
私達が車で、狭い路地を小さく左折し、その後にキャバレーに連れて行かれたのだ。しかも、園崎絡みの情報なのに・・・
「ほら、木を隠すなら、森の中。水を隠すなら、川の中。その発想で、S号絡みの情報を園崎組の経営するキャバレーで話せば、連中には耳に入らないだろう」
「どんな発想なんですか!? 逆に筒抜けでしょう!!」
「まぁ、あんまり店前で騒ぐな。童貞と思われるぞ」
そう言って、サトさんはキャバレーブルーマーメイドに一人で入って行った。
少し考え事をしていると、周りの人から「あの人、絶対童貞だな」や「あんなイケメンでも、こんな店で筆下しして貰わないといけないんだな」と噂されていた為、さっさとお店に入った。
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