第二部 WONDERING DESTINY
エピローグ 〜Stairway to Eternal〜
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契約者の返答を待つ。
「好きにするが良い。貴様の力が有用で在るコトは解っている。
共に往くというのなら、我に異論はない」
予想通りと言えば予想通りな、荘厳なる声が静かに響く。
「それと、我の事はアラストールで良い」
「……おぉ」
ポルナレフはライトブルーの瞳を煌めかせ、想わず声を漏らした。
アラストールの言葉が総意であるかのように、
残る三人の間にも彼を受け入れる穏和な空気が流れる。
だが約一名。
「解ったらさっさと立ちなさいよ! いつまで人の胸凝視してんのよッ!」
羞恥心に堪えられなくなったのかシャナが顔を真っ赤にして叫ぶ。
「おお、それは失礼、Mademoiselle」
青い瞳の青年は別段気にした様子もなく非礼を詫びる。
「フム、それにしても……」
立ち上がった青年は、そこで初めてシャナを値踏みするように前へ後ろへと見回す。
「な、なによ」
「惜しい、な。容姿は申し分ないが、如何せん、 “若過ぎる” か」
「は?」
「貴様」
意味の解らないシャナとその意味を察したアラストールが同時に口を開く。
そこに。
「すみませ〜ん♪」
唐突な第三者の声が耳に届いた。
いつのまにか結構距離が開いていた承太郎の傍に、
旅行者らしき若い二人の女性が歩み寄っていた。
「すみません、ちょっとカメラのシャッター押して貰っていいですか?」
要求自体は平凡だが、二人の彼を見る好意と憧憬の熱に浮かされた視線は
明らかにソレ以上のモノを求めている。
「……」
日本でさんざっぱら繰り返されたウットーしい行為に
無頼の貴公子が口元を軋らせると同時に、
「昨日といい、今日といい……」
黒髪の美少女もキツク拳を握り早足の大股で迫る。
「おねがいしま〜す♪」
しかしそんな二人の心中など旅行者の女性は気づかず、
有頂天な口調でカメラを差し出す。
「やかましい!! 外のヤツにいえッッ!!」
「うるさいうるさいうるさい!! 誰の男に声かけてんのッッ!!」
瞬時に発火点に達した二人の怒声が、互いの台詞を掻き消して波間に轟く。
しかしそこに。
「まぁまぁ、いいじゃないか。写真ならこのワタシが撮ってあげよう」
熱り立つ二人の間にポルナレフがひょこっと入り込み、
陽気な口調で二人の女性を促した。
「君キレイな足してるから全身入れよーね♪
本当はシャッターボタンよりも、
君のハートの方を押して押して押しまくりたいなぁ〜♪」
慣れに慣れきった応対と人懐っこい笑顔で彼は即座に二人の女性と投合し、
肩に手を回しながら談笑している。
先刻までの荘重な雰囲気はどこへやら、正反対の軽薄な態度に
シャナは無論承太郎までも絶句する。
「何か、解らない性格のようですね。随分
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