第二部 WONDERING DESTINY
エピローグ 〜Stairway to Eternal〜
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過ごせて、
ボクは、良かったと想う」
「なら、何も言うコトはねーがよ」
真実は同じ異変を追い、結果的には対立するカタチに成っていた二人だが、
奇妙な事にお互いソレには気づかず吹き抜ける海風の中微笑を交わす。
「でも、連絡くらいは入れられたでしょ。
自分がどこにいるか位は教えておきなさいよね。
まったく何の為のケータイなのよ」
自分達の間に割って入ったシャナが、苛立った口調で苦言を呈す。
言っている事は正論だが、八つ当たりをされているような気がするのは何故だろう。
まぁ二日前の陰鬱さは形を潜め、いつもの彼女に戻っているというのは
喜ぶべきかもしれないが。
「それと、最初から気になってたんだけど」
花京院が謝罪するよりも早く、少女は鋭い視線を左斜めに送る。
「なんで、 “コイツ” がいるの?」
少女が向き直った先、銀色の髪を雄々しく梳き上げた精悍な男が、
その鍛え抜かれた両腕を組みながら屹立していた。
“J・P・ポルナレフ”
3日前、シャナの剣技を容易く制し、アラストールとの壮絶な戦いを繰り広げた
白銀の 『スタンド使い』
今はアノ時のような、触れれば切れるような殺気を発してはいないが、
過去の苦い背景も相俟ってシャナは複雑な表情でその男を見る。
「ジョースターさんから聞いていないのか?
DIOを斃す為のエジプトへの旅路、
このオレも 「同行」 もさせてもらうコトになった」
「ハァ!?」
強い信念を裡に宿した男の言葉に、少女が頓狂な声をあげる。
残る二人のスタンド使いはなんとなくそんな気がしていたので、
別段驚く事もなくポルナレフを見つめる。
「いやいや、シャナ、言っておかなくて悪かった。
何せワシも今日、彼から言われたのでな」
疑念の意志を隠す事もなくポルナレフを見るシャナに、
ジョセフがそう説明した。
「安心しろ。 “肉の芽” が消えた以上、最早君達に危害を加える気はない。
寧ろ 『逆』 だ。
オレはアラストール殿に戦いを挑み、そして敗れた。
『にもかかわらず』 卿はオレの命を助けたばかりか、DIOの呪縛からも救ってくれた。
恩義には恩義を以て返さねばならぬ」
「むう」
少女の胸元で、そのポルナレフの卓越した能力と不撓の精神力を
誰よりも是認している王が声を漏らす。
「貴公がオレにしてくれた事、幾千の言葉を費やしても尽くしきれぬ。
故にこれからは己が剣に拠って報いたいのだが、御赦し願えるか?」
そう言ってポルナレフは少女の前で中世の騎士のように傅き、厳かに忠節の礼を執る。
「……」
自分にではなくアラストールに言っているのは解っていたが
結果として胸元 (のペンダント) を凝視されるので、
面映い気持ちでシャナは
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